
「ウチの店は、浅草という土地柄もあって、ハイボールブームの前からコンスタントにハイボールが出ていました。お客さまから特に銘柄のご指定がない場合には、自分自身でブレンドしたウイスキーをベースにハイボールを提供しています。ブレンド内容は季節に合わせて変えるようにしています。ご自宅や居酒屋さんではなく、せっかくバーでハイボールを飲まれるのですから、バーならではの『ひと手間』を加えたハイボールを提供したいと考えています」
「例えば、氷。日本の氷のクオリティーは世界でも最高峰です。氷のクオリティーが高いからこそ、日本のハイボールはおいしいのだと思います。この氷にさらに『ひと手間』加えることで、ハイボールはぐっとおいしくなります。それは、氷を炭酸水で洗ってあげることです。まずタンブラーに氷を入れたら、炭酸水を少量加えて、軽くステアします。一度炭酸水を捨ててから、氷をステアしてグラスをしっかり冷やします。もちろん溶けた水分は捨てます。こうすることで、氷の表面に『膜』ができ、氷自体がぎゅっと締まります。このひと手間だけで、ハイボールの味わいはワンランクアップするはずです。特にご家庭の氷はゆるいので、明確な違いが出てきます」
「またハイボールというとブレンデッドウイスキーが定番ですが、シングルモルトやバーボン、コニャックなどをベースにしてもおいしくいただけます。こうした新しいアプローチ法を提案するのも、バーテンダーの大切な仕事のひとつだと思います。それでは、私が考える新しいカタチのハイボールスタイルをご紹介したいと思います」
「ハイボールにコニャック、というと驚かれる方もいるかもしれませんが、個人的にも非常に好きなドリンクです。実際に現地フランスでも、若いコニャックはソーダ割りなどで気軽に飲まれていました。特にカミュは快活でフローラルなアロマを備えているので、ハイボールには最適です」
「まずはグラスに氷を入れたら、少量の炭酸水で氷を洗います。氷の表面に膜をつくってあげることが目的なので、『氷をリンスする』と表現してもいいかもしれません。リンス後、カミュを30mlほど注いだら、氷にカミュを練り込むようなイメージでステア。ゆっくり炭酸水を注ぎ、最後にレモンピールとオレンジピールで香りづけをします。レモンとオレンジという2種類のピールを使用するのは、『サイドカーのハイボール版』というイメージでつくったからです。コニャックといえども非常に飲みやすいので、普段コニャックをお飲みにならない方へのアプローチにもお勧めの一杯です」
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