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平成13年10月2日
アサヒビール(株)庄原林業所 国際的な森林認証・FSC認証を取得 
国内では認証取得3例目、国内食品会社の保有林では初
〜森林保全を通じた社会貢献の拠点として取り組みを進める〜
アサヒビール株式会社
 

 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 福地茂雄)は庄原林業所(広島県庄原市)の社有林において、環境に配慮し経済的にも持続可能な森林経営に対する国際的な認証規格であるFSC(森林管理協議会 Forest Stewardship Council)(注) の森林認証を9月下旬に取得しました。国内では3例目、国内の食品会社の保有林では初めての取得となります。

 "森林認証制度"とは環境に配慮し持続可能な森林経営を第三者が認証するもので、地球規模での森林の減少・劣化問題、また生活者の環境意識の高まりを背景に、近年世界各地で急速に普及してきました。メキシコに本部を置くFSCの森林認証制度は、適切な森林経営を認証すると同時に、その森林で生産された木材や加工品にFSC独自のロゴマークを付けることにより、適切な森林管理の推進を行うというもので、世界で最も広く普及している認証とされています。現在、世界41カ国の301カ所計2,238万ヘクタールの森林が認証を受けています(2001年4月現在)。

 庄原林業所の沿革は、第二次大戦中に当社の前身である大日本麦酒株式会社が、ビール王冠に使う輸入コルクの代替品を求める必要に迫られ、アベマキが自生する庄原市周辺の山林を購入したことに始まります。戦後、アサヒビール(株)庄原林業所となり、昭和25年頃よりスギ・ヒノキの植林を開始し、毎年計画的に植林を続け商業用森林の育成を図ってきました。社有林は6市町村にまたがり2,169ヘクタールの広大な面積をもち、面積の4分の1が天然林として保全されています。山林の環境保全を重視しながら計画的な森林経営を行ってきた結果、水源涵養保安林や県立自然公園としての指定を受けるなど、保護すべき貴重な森林資源として認められてきました。

 アサヒビール(株)では、庄原林業所において「自然の森を守り、森を造り、森林資源の確保と公益性のある経済性の高い林業経営を目指す」という方針のもと、森林経営を行ってきました。今回、あらためて外部機関の審査を受けることで、その森林経営を「環境保全の観点」「経済性の観点」「社会性の観点」から改めて見直し、持続的でよりよい森林経営につなげる目的でFSC森林認証の取得に取り組みました。

 今回の森林認証の取得を機に、庄原林業所の森林を社会的資源として広く公益につなげる方針です。
 アサヒビール(株)では、ビールをはじめとする飲料・食品を製造・販売する事業を展開することから、特に"水"やその水を育む"森林"の保全に関するテーマについて、当社の環境への取り組みにおける大きなテーマのひとつとして位置づけています。
 今回の森林認証の取得を機に、企業による森林保全のモデルケースとして、庄原林業所を森林保全を通じた社会貢献活動の拠点とし、積極的な活動を行う考えです。
 具体的には、森林認証制度の公知・普及への協力活動、また山林を環境・自然教育のフィールドとして積極的に開放すること、林業経営や生態系についての研究フィールドとして提供するとともに研究支援活動を行うこと等を実施していきます。今後はさらに、森林保全を社会貢献として取り組む企業のネットワークを構築しその活動を広げていくことなどを検討していきます。

 現在実施が決まっている貢献活動は以下の通りです。
(1)森林認証制度の公知・普及への協力
・森林認証についての研究活動・認証の審査員育成のために、山林をフィールドとして提供し、活動を支援していきます。
・庄原林業所の間伐材を利用したコースターや木製品を作成し、配布又はインターネットのホームページ上や工場見学路内のショップで販売していくことで森林認証制度の公知に役立てます。
(2)山林を環境・自然教育のフィールドとして開放
・本年11月に予定されている林野庁主催の「巨樹・巨木シンポジウム」における林間フィールドワークが庄原林業所で実施されるなど、森林を活用した環境・自然教育の場として開放していきます。
(3)林業経営や生態系についての研究・学習活動に対して研究フィールドとして山林を提
供・研究への支援活動の実施

・地元高校の生態系調査実習の場として開放することが決まっているほか、広く林業経営や生態系についての研究活動に対して研究フィールドとして提供します。また、そうした研究の支援活動・助成活動を行います。
(4)植樹・植林活動のための木苗の育成と無償提供
・植林活動のための木苗を育成し、各地でボランティア団体などが実施する植林活動に無償提供していきます。

 アサヒビール(株)では、環境問題への取り組みを経営における重要な柱として、「環境基本方針」に基づいた環境経営を積極的に推進しています。全国の工場での廃棄物再資源化100%の実施、ノンフロン化工場の実現や省資源・省エネルギーの推進など、事業活動における環境負荷低減に先進的な取り組みを行う一方、地球環境科学分野の研究への助成活動、社員による植林ボランティアの実施など、環境をテーマとする社会貢献活動にも努めています。
 今回の庄原林業所における森林認証の取得を契機に、全国のビール工場見学においても森林保全に関する情報発信を行うなど、全社的な取り組みとして森林資源保全への貢献を進めていきます。

(注)FSC(森林管理協議会 Forest Stewardship Council)
WWF(世界自然保護基金)を中心に環境団体、木材取引企業、先住民団体、地域林業組合などが1993年に共同で設立した非政府機関(NGO)。本部メキシコ。


<アサヒビール(株)庄原林業所の概要>
名   称
アサヒビール(株) 庄原林業所場
所   長
藤川 光昭(フジカワ ミツアキ)
所 在 地
広島県庄原市中本町1丁目8−2
山林所在地
広島県庄原市、双三郡布野村・君田村、比婆郡高野町・比和町・口和町
山林総面積
2,169ヘクタール
うち人工林(スギ・ヒノキなど植林)1,641ヘクタール、天然林(広葉樹・針葉樹) 528ヘクタール
保護林すべき
高価値林
としての認定
水源涵養保安林(昭和41年以降順次) 全山
ブナ林自然環境保全地域(昭和62年7月) 女亀山
神之瀬峡県立自然公園(平成10年4月) 二分坂山、曲谷山
<今回の森林認証取得について>
認証機関
SCS(Scientific Certification Systems) 本部:米国
認証審査
スケジュール
審査実施 7月3〜7日
認証書受け取り 9月28日



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