開発ストーリー 研究開発編 開発と生産がひとつになって実現した、これまでにない濃厚な味と香り。

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開発コンセプトは“プレミアムビールのような上質感を味わえる贅沢新ジャンル”。この前代未聞の課題に、若き開発者たちが立ち向かいました。目をつけたのは、海外研修で知った、醸造のセオリーを覆す「微煮沸製法」。しかし、アサヒビール初の技術に現場は不安を隠せません。この難局をどうやって乗り越えたのか?アサヒグループ研究開発センターのメンバーが、その背景を語ります。

index

  • 01 “新ジャンルでプレミアムビール”という想定外のコンセプト。
  • 02 「贅沢醸造」と「最高級ホップ」で、味のベースをつくり込む。
  • 03 常識を覆す「微煮沸製法」が、圧倒的な味の違いを生む。
  • 04 前例のない製法を工場で再現するための総力戦が始まる。
  • 05 想像を超えた味が、技術者たちの挑戦心に火をつける。
  • 06 試飲による調査で、予想をはるかに上回る高評価を獲得。
  • 07 濃厚で、しかも飲みやすい。気軽に楽しんでいただければ。

“新ジャンルでプレミアムビール”という想定外のコンセプト。

私たちはアサヒグループ研究開発センターで、おもに新しいビール類の開発に携わっています。商品の開発コンセプトを受けてふさわしい製法を考え、試作モデルをつくるといった仕事ですね。

今回の開発コンセプトが“プレミアムビールのような上質感を味わえる贅沢新ジャンル”ということで、これを聞いた時は、まず頭を抱えました(笑)。新ジャンルって、使っていい原料の幅は広いんですが、麦芽の使用量が少ないのでビールらしさを出すのが非常に難しい。そういう前提のもとで、プレミアムビールのような味わいを目指すことになったのです。

しかも、プレミアムビールといっても特定の商品のことではなく、上質感や満足感のことをいっている。つまり、お客様が期待している味を超えないと、プレミアムビールとはたぶん思ってもらえないはずです。

とはいえ、私たちも新ジャンルをつくり続けてきて、ありがたいことにビールに近いという評価はいただいています。これまで培ってきた知見をベースに、何か新しい要素をプラスすれば、なんとかいけるんじゃないかという目星もありました。結果的に今回は、製法や原料において3つのポイントにこだわりました。

イメージ大橋 巧弥

「贅沢醸造」と「最高級ホップ」で、味のベースをつくり込む。

まずは当社の既存の新ジャンル商品で技術の蓄積がある「贅沢醸造」を取り入れることにしました。これは、当社の定番新ジャンルと比べて原麦汁エキス濃度を約1.2倍に高めるというもの。丁寧にこだわってつくることで、深いコクや味わいが生まれます。

そしてもうひとつ、「最高級ホップ」。チェコのザーツホップを一部ブレンドしています。このホップを使うと、すごく上品な香りに仕上がります。とても高貴な香りで、今回のコンセプトにぴったりだと思います。今回は、華やかな方向で、ちょっと爽やかさもある、という感じのホップ香に仕上げました。

この「贅沢醸造」と「最高級ホップ」で、新商品のベースとなるべき部分のメドはつきました。これに何をプラスすれば、プレミアムビールのような味わいが生まれるのか。今回は、今までにない思い切った製法にトライしたんです。それが、アサヒビールとしては初の導入となった「微煮沸製法」です。

イメージ前川 祥太郎

常識を覆す「微煮沸製法」が、圧倒的な味の違いを生む。

話がさかのぼりますが、以前、海外研修で“煮沸”に関する興味深い話を聞いたんです。煮沸って日本ではしっかり熱を入れるのがセオリーなんですよ。熱を通すことでビールの噴きや濁りに関連する成分や不快な香りを取り除くんです。だから、時間をかけて煮沸しなさいと。一方、イタリアでは必要最低限しか熱を入れない。しかもこれは、近年のビール醸造の世界的な潮流でもあるというんです。

それで俄然、興味が湧いてきて。試しに1回やってみよう、となったんです。いろいろやってみて、できたものを飲んでみると…。不快な香りとか全然しないんですよ。麦の香りはすごくあるんですが、どんなに匂っても熱入れが弱いと生まれるという不快な香りを感じない。そもそもこの麦の香りの正体が何かがわからない。まず、そこから探すという、とんでもない状況になりました(笑)。

そして味のほうも、想像を超えていました。“麦感”のレベルが明らかに違う。味の厚みもすごく出ました。そして味わいも複雑で。ものすごくビールっぽいって感じなんです。しかも、その味や香りの余韻がずっと続く。ひと口飲んだ瞬間、「いける!」と確信しました。それぐらい味の違いが圧倒的でした。こうして、「アサヒ ザ・リッチ」の試作モデルは完成したんです。

イメージ李 剿s

前例のない製法を工場で再現するための総力戦が始まる。

しかし、ここからが苦難の道のりでした。試作モデルはできたのですが、従来の醸造とはまったく違うやり方になるということで、社内に不安を与えることになりました。

「微煮沸製法」はアサヒビールでも前例のない試みなので、文献をあたっても何も出てきません。ベテランの技術者に聞いても、「俺はやったことがない」という答えばかり。それに、研究所でできたことが各地の工場で確実に再現できるとは限りません。「微煮沸製法」を行うことで、予期せぬことが起こる可能性もあります。まずはできる限り正確に、試作モデルの分析値を取ろうということになりました。

前例がないので、まずは測るものをどうやって抽出するかを考える。そこからのスタートです。成分を判別して、すべてを数値化するのに1カ月ぐらいかかりました。そして、その分析値を各工場に送り、できたものを再分析して数値のばらつきを確認して、再度それぞれの工場の特性をふまえて調整のやり方を提案する。これを繰り返しました。

こうなると、開発というより商品を安定供給するためのレシピづくりです。商品をお客様に届けることは、私たちの力だけではできません。全国の工場のオペレーターやスタッフ、開発と工場をつなぐ生産技術センターのスタッフ、その他関連部のみなさんを全員巻き込んでの総力戦でしたね。「あの試作モデルの味を絶対に再現してやる」と、懸命にがんばりました。

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想像を超えた味が、技術者たちの挑戦心に火をつける。

不安がっている技術者に試作モデルを飲ませると、「そうか!」「なるほど!」って言うんです。モノができているので、理解が早い。理解が早いと、動きも早い(笑)。ベテラン・若手を問わず、本当に協力的ですごく助かりました。「そんなに味が変わるんなら、やってみたい」って。しかも、みなさん、すごく楽しそうなんです。

結局、生産の現場も、技術系のスタッフも、これほど前例のない商品はやったことがないから、やりたいんですよ(笑)。中身にクオリティがあれば、難しい製法でもこんなに前向きになって挑戦してくれるんだなと。なんか、すごくいい会社だなって(笑)。ちょっと感動しました。

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試飲による調査で、予想をはるかに上回る高評価を獲得。

生産体制が落ち着いた頃、お客様調査が行われました。新ジャンル愛好家のみなさんに「アサヒ ザ・リッチ」を試飲していただき、味の評価をしてもらうというもので、結果は予想を上回る高評価となりました。とくに「麦の香りや旨み」「コク」「飲んだ後の満足感」などは、今まで見たことがないような高い数字が並びました。比較のため試飲してもらった新ジャンル市場で評価の高いコク系の商品と比べても、まったく遜色ない数字です。

このつくり方が正解だったんだ、と思いました。「贅沢醸造」「最高級ホップ」、そして「微煮沸製法」。どれひとつ欠けても、この味にはならなかった。同時に、安心もしました。研究所の味を工場で再現できるかという不安もあったので。自分たちが目標としていた味が高く評価されて、本当によかったです。これからは、このおいしさをどこの工場でも維持できるように、私たちがサポートしていかなければと思います。

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濃厚で、しかも飲みやすい。気軽に楽しんでいただければ。

今回、私たちは「微煮沸製法」を通して“煮沸”をコントロールするという知見を手に入れました。煮沸によって味のバリエーションがさらに広がるわけです。もしかしたら、アサヒビールの味の概念を変えることにつながるかもしれません。

そんな「アサヒ ザ・リッチ」ですが、お客様には、味の圧倒的なボリューム感と麦の香りをぜひ味わっていただきたいですね。飲んだ後の満足感も、全然違うと思います。さらにいうと、味にボリュームがあるわりには意外と飲みやすい。濃厚でしっかりとした味なのに、スイスイいける。気軽に飲んで、楽しんでいただければと思います。そしてたまに、こういう何でもない商品をつくるのにも、いろんな努力があるんだなって思い出していただけたら、それだけで満足ですね(笑)。

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