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ニュースリリース

 

ニュースリリース2008年

2008年03月24日
アサヒビール株式会社

「植物性タンパク」の中から“満腹感”を長く持続する素材を発見!
〜 “満腹たんぱく”と命名し、その作用メカニズムを解明 〜

 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 荻田伍)の「健康おいしさ研究所」は、植物由来のたんぱく素材の一種に満腹感を長く持続させる効果があることを発見し、来る3月26日(水)〜29日(土)開催の日本農芸化学会で発表します。

 本年4月からは特定検診・特定保健指導が開始され、メタボリック症候群対策への関心が高まっています。アサヒビールグループにおける消費者調査によると、「ダイエットを中止したくなる要因」として、「空腹に耐えられないとき」56%、「口寂しさに耐えられないとき」46%が上位に挙げられているとおり、ダイエットを実践する上で、“空腹感を克服”することは特に重要な要素といわれています。
 「健康おいしさ研究所」は、この“空腹感を克服”するというテーマに対して、「満腹感を持続することができる素材」探しという課題を設定し、さまざまな食品素材を探求してきました。今回の学会では、満腹感への寄与が大きい栄養素として特に「たんぱく質」に注目して行った研究結果を発表します。

 

【動物試験による候補素材の選抜】(図1参照)
  雄性7週齢ラットを使った摂餌(せつじ)量測定実験により、 食品用たんぱく素材17種類をそれぞれ配合した 試験飼料を調製して比較しました。1晩絶食後の ラットにたんぱく素材1gを配合した試験飼料を 5g与え、その後10時間の標準飼料(AIN-93G) の摂餌量に及ぼす影響を調べました。すると5gの 標準飼料を与えたときと比べ、摂餌量を15%以上 低く抑えられるたんぱく素材が存在しました。この 素材は植物由来のたんぱく質で、アサヒビール鰍ヘ 当素材を別名「満腹たんぱく」と命名しました。

 

【「満腹たんぱく」の作用メカニズムについて】(図2参照)
  上記試験の結果、「満腹たんぱく」には満腹感を 持続させる効果があることが推測されますが、 これを解明するために「胃からの排出速度」、つま り、食べたものが一定時間後にどれくらい残って いるかの度合を測定しました。
 雄性5週齢ラットを使用し、絶食(24時間) 後に「満腹たんぱく」を与えました。投与15分後 にさらに色素を経口投与し、60分後の色素の残存率を定量することで、たんぱくによる胃からの排出速度の変化を観察しました。
 結果、「満腹たんぱく」の色素残存率は50%を超え、対照のたんぱくの20%強と比較して、有意に胃からの排出速度が遅いことが分かりました。このことが満腹感の持続と関係していると考えられます。

 

【人による実証試験】
   最後に外部の一般人による実証試験(クロス オーバー、ダブルブラインド)を実施しました。 15名の被試験者に対して、5gの「満腹たんぱ く」を配合した試験食品(シェイクタイプ)と、別の日に「満腹たんぱく」を含まないが、たんぱく量は同じである対照食品を摂取させて、その 後3時間の自覚的満腹感を15分おきにアンケートにて記録しました。アンケートは「とても空腹」〜「とても満腹」までの7段階で該当する段階に○をつける方式です。
 試験の結果、「満腹たんぱく」を配合した試験 食品を摂取した後は対照食品摂取後と比べて有意に満腹度が高い状態が続いていることが分かり、これは「満腹たんぱく」により自覚的な満腹感が長く維持することを意味しています。

 アサヒビール(株)は、今回の研究で、同じたんぱくの中でも“腹持ち”に違いがでてくる点に注目をし、更なる探求をすすめていきます。また、今回発見した「満腹たんぱく」は、日本人に馴染み深い植物由来の一般的な食品素材であることから、安心して摂取を続けることができ、応用の仕方によって健康的にダイエットを続けられる可能性を秘めていると考えます。今後はアサヒビールグループの展開する商品への「満腹たんぱく」のさまざまな応用を探っていきます。