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旨い芋焼酎は、“土”へのこだわりから生まれる。

「暁紫(アケムラサキ)」も「黄金千貫」もアサヒの本格芋焼酎用だけに栽培。循環型の有機農業に取り組む。契約農家のさつま芋づくりをご紹介します。
  • 農業生産法人(有)ふじ有機 代表取締役 亀井定行
  • ※2010年8月取材
「暁紫(アケムラサキ)」の生育には、時間が必要。
「暁紫(アケムラサキ)」の栽培を始められたのはいつ頃からですか?
亀井 2008年が最初の植え付けでした。アサヒビールさんが「暁紫」の焼酎を試験製造されるところからですね。以来、契約農家として「暁紫」と「黄金千貫」をアサヒの焼酎用だけに生産しています。「黄金千貫」は随分前から生産していますし、その他では、「綾紫(アヤムラサキ)」という紫芋を15年くらい前からつくっています。
さつま芋づくりの1年間の流れをおしえてください。
亀井 「暁紫(アケムラサキ)」は、1月から苗づくりが始まります。苗の成長に時間がかかるので、他の芋に比べると始まりが早いですね。畑への苗の植え付けは4月・5月。そして、収穫は10月・11月が一番いいかな。収穫したら、翌年のために種芋を確保。実質的にはここがスタートで、10月には翌年の生産計画を立てます。さつま芋づくりの仕事は1年間途切れることが無い、休みが無いですね。
「収穫は10月・11月が一番いい」というのは?
亀井
「暁紫(アケムラサキ)」は、比較的、晩生(おくて)の品種で、10月・11月に収穫する芋の方が濃い紫色になります。色づきの良さは完熟の証。これには、大隅半島の気候、日中と夜の寒暖差が影響しています。9月になると、日中はまだまだ陽射しが強くて残暑が厳しいのに、朝は冷え込んできますからね。そうすると地中の芋が大きくなります。十分に育つのを待ってから収穫するんですよ。大隅半島は日照時間も長くて、「暁紫」をつくるには良い自然環境です。
※2010年8月現在、「暁紫」は農林水産省に品種登録されている紫芋の中で最もアントシアニン含有量が多い品種です。
自社製の有機肥料で土を育み、芋をつくる。
「ふじ有機」という社名の通り、有機農業を手がけられているとか。
亀井 はい。「暁紫(アケムラサキ)」、「黄金千貫」をはじめ他の農作物もできる限り自社製の有機肥料を使って栽培しています。化学肥料を使うと土が固く締まっていくんですよ。一方、完全に発酵させた有機肥料を使うと土が柔らかくなる。それは"根に良い"ことで、芋が大きく育ちます。芋に限らず、有機野菜は香りや甘みも違いますね。肥料の原料は、主に野菜くずや食品廃棄物。そして、畜産が盛んな鹿児島の地域特性を活かし、鶏糞などをリサイクルして肥料をつくっています。
「暁紫(アケムラサキ)」のために肥料で工夫されている点はありますか?
亀井 「黄金千貫」や「安納芋」などに比べると、肥料は少なめの方がいいですね。その方が、収穫量や芋の形に良い影響を及ぼします。これは、「暁紫」の親品種である紫芋「綾紫(アヤムラサキ)」にも言えることですから、今、その栽培経験が役立っていると思います。有機肥料の原料の配合などは、農学博士や専門家のアドバイスをいただきながら取り組んでいます。自然が相手なので、なかなか研究室の理論通りには行きませんけどね。博士も「つくっている人が一番詳しいんだ」と(笑)。常に二人三脚で試行錯誤の繰り返しです。
その点、「暁紫(アケムラサキ)」は大丈夫だったわけですね。
亀井 はい、「暁紫」の醸造適性は優れていましたので、発酵が順調に進んで、アルコールもしっかり取れました。たくさんの芋を試験していく中で、原酒に個性が出やすかったのは紫芋。その中でも、色の濃い方が個性的なものができていたんですが、「暁紫」の試験原酒には芋らしい甘み、ふくらみ、力強さがダントツにありました。研究所では、そこからさらに「暁紫」の良さを追求していこうと。
収穫量は少ない。やはり、希少な紫芋。
「暁紫(アケムラサキ)」の収穫量は、他の芋と比べてどうですか?
亀井 「黄金千貫」や「紫優(ムラサキマサリ)」に比べると少ないですね。ポイントは芋の形状です。これらの芋は丸く太りますが、「暁紫」はやや長細くなります。また、一株あたりの大きい芋の比率がやや劣っていたりすることもあります。新しい品種ですからまだまだ作付面積も少ないですし、やはり"希少な紫芋"と言えます。
収穫量を増やすために改善されたことはありますか?
亀井 苗の成長に時間がかかることがわかったので、2年目、3年目と苗床を増やしました。最初の苗の量や植え付けのタイミングが、後の収穫に響いてきますからね。経験を経て、少し計算が立つようになってきたかなと。また、今年は、畑の畝ごとに「水平植え」、「直立植え」など植え付け方法を変えました。これで秋に収穫量を比較します。手間はかかりますが、まだ新しい芋ですからこうして毎年ひとつひとつ試していくことが大切ですよ。
そんな「暁紫(アケムラサキ)」を原料の一部に使用した本格芋焼酎[薩摩 こく紫]。
ご自身の飲み方とおすすめの郷土の味をおしえてください。
亀井 私はロックで飲みます。よく合うのは「地鶏の炭火焼き」かな。畜産が盛んですから肉料理がおいしいですよ。魚なら「カツオのたたき」や「カンパチの刺身」もいいですね。やっぱり、鹿児島の味と[薩摩 こく紫]は相性抜群ですよ。
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