このプレステージの白は、前の2つの白ワインとは明らかに方向性が変わってきます。前の2つがブドウの味わいを主体としていたのに対し、このプレステージの白はアッサンブラージュの妙や、熟成による深みといったものが感じられると思います。
色は若いイエローですが、少しピスタチオのような深みをたたえています。グラスにつく脚も前の2本に比べると太く長いですね。香りは洋梨や青リンゴ、カシスのつぼみ、そして樽熟成からくるトースト香やヴァニラの香りが感じられます。より深みがあり、複雑ですよね。
味わいは、辛口でしっかりとした骨格が感じられると思います。それでいて、まろやかさもありますよね。これはソーヴィニヨン・ブランがもたらす骨格やアルコール感と、セミヨンの温かさや丸みがうまく溶け合っている証拠です。
サービス温度は9〜10℃。アペリティフというよりは食中酒に向いていますね。本日は「天婦羅〜海老 一寸豆 藻塩」を合わせてみました。魚料理であれば赤身のものや、脂ののった平目や鯛といった白身魚がいいですね。肉料理であればチキンや仔牛がおすすめです。
今回紹介した3つの白ワインは、それぞれ個性も異なり、価格も違います。ワインの強度でいうと、1本目から3本目へとだんだん強くなっているはずです。ワインを何種類かサーヴする場合には、ワインの強度がだんだん強くなるように計算する必要があります。音楽用語でいう、クレッシェンドのように……。この順番を間違えると、せっかくおいしいはずのワインが、お客さまにうまく伝わらない場合がありますのでご注意ください。