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一般に「白ワインは冷やして、赤ワインは常温で」と言われますが、この常温とは昔のヨーロッパの室温のことで、およそ16〜18℃とされています。
一般にワインは冷やすと甘みがさわやかになり、渋みを強く感じます。また酸味には冷やすとおいしく感じるものとそうでないものがあります。フルーティな辛口の白ワインや軽めの赤ワインは、冷やして飲むとさわやかさが楽しめるでしょう。逆に、コクのある白ワインやタンニンの多い赤ワインはあまり冷やさない方が芳醇な香りを楽しめます。
冷やす方法として最も簡単なのは冷蔵庫を利用すること。飲む時間の1〜2時間前に入れておいて、ワインのタイプによって見計らえば、適温に近い状態でワインを楽しむことができます。冷えすぎと感じる場合は、少し室温に置いておくか、グラスに注いでから手の温もりで温度を上げて飲むという方法もあります。
また、時間がないときは氷水で冷やすのがいちばん早い方法。たっぷりの氷水にワインボトルの肩まで浸ければ15〜20分ほどで適温にすることができます。
また、開栓のタイミングも「飲み頃」の状態にするには大切な要因。特に赤ワインの場合は、早めに開栓して空気に触れさせることで、眠っていたタンニンやブーケを目覚めさせる必要があります。特に熟成の若いものは、空気に長く触れさせることで香りも味もまろやかさを増します。ただし、年代もので熟成に達した赤ワインは、あまり長く空気にさらすと風味が弱くなることもあるので、微妙な香りや味わいを楽しむために直前に開栓するのが良いでしょう。
「飲み頃」を知り、「飲み頃」の状態を作ることで、ワインをより一層おいしく楽しむことができるのです。
約30分〜1時間前(香りが開くのを待ちます)。若いワインの場合、デカンタージュも有効な方法です。
飲む直前〜約30分前(繊細な香りが逃げてしまわないうちに)。長期熟成されたワインでは、開栓直後は還元臭と呼ばれる硫黄系の匂いがするものがあります。この匂いは非常に揮発性が高いので、飲む時間の少し前に開栓することで消え、よりおいしくお飲みいただけます。
飲む直前。白ワインでは酸化が最大の敵です。開栓と同時に空気(酸素)との接触が起こりますので、できるだけ開栓後は速やかにお飲みになるのが良いでしょう。
ワインの栓にはワックス(蝋)が使用されていた時代など長い歴史があり、一説によると17世紀に入って初めてコルクが用いられるようになりました。
コルクはコルク樫という樹木の樹皮を縦方向にくりぬいて造られる天然物です。非常に微細な多孔質構造をしており、軽く、弾力性・復元性が高く、液体をほとんど通さない(ごくわずかながら空気は通す)という、ワインの栓として重要な性質を持つ素材です。たまに開栓時、コルク上部にカビが発生していることがありますが、このカビはコルク栓を開ける前によく拭き取ってからお飲みいただければ問題はありません。
現在では天然コルク以外にも、合成コルクや圧搾コルク、さらにはスクリューキャップもワインの栓としてポピュラーです。これらの栓はそれぞれ特性が異なり、当然空気を通す量も異なります。
白ワインでは、酸化が最大の敵ですので、なるべく空気を通さない栓が良いため、スクリューキャップはより適していると言えます。長期保存するようなワインは熟成による味の変化を楽しむ場合もあるので、天然コルクが使われることが多いようです。ただし、天然コルクの場合、まれにブショネと呼ばれるコルク臭(不良コルクに由来する欠陥で、塩素的な臭い)が発生します。その点、スクリューキャップはブショネの心配がないので、高級なワインでも徐々にスクリューキャップに切り替える生産者が出てきています。
赤、白、ロゼ、スパークリングなど、ワインにはさまざまなタイプがありますが、ワイングラスにも丸みを帯びたもの、細長いもの、小ぶりなものなど、さまざまな形があります。
そのひとつひとつの形には、ワインをよりおいしく味わうための秘密があります。
ワインに応じてワイングラスを変えてみるのも、ワインの楽しみ方のひとつです。
胴部分の膨らみと比較すると、口先が程良くすぼまっています。それによって、徐々に香りが立ち、その香りを逃がしません。長期熟成タイプの赤ワインに適しています。
胴部分がゆったりと膨らんでおり、バルーン型と言われます。ワインが空気に触れる表面積が大きいため、豊かな香りと味が素早く引き出されます。またグラスの中に香りをためて複雑な香りを楽しむ効果もあります。
立ち上がってくる気泡を楽しみながらゆっくりと味わうため、フルート型の細長いグラスを使用し、8分目を目安に注ぎます。お祝いの席やパーティなどでは、乾杯用に、口が広く底の浅いクープ型(ソーサー型)のグラスを用いることもあります。
シェリーやポートなどフォーティファイドワインや天然の甘口ワインなど、食前酒・食後酒を味わうためのグラス。やや小さめです。
ワインは目で、鼻で、舌で楽しむ飲み物です。同じ品種から造られたワインでも、産地や土壌がわずかに違うだけで、その味わいは微妙に異なります。そんなワインが醸し出す多彩なニュアンスを利き分ける ─ それがテイスティングです。そこには単に飲み物としてだけではない、ワインの魅力の奥深さ、楽しみがあるのです。
テイスティングは色、香り、味の順に行います。
ポイントは、色、濃淡、清澄度の3点。一般に、澄んで明るく、濁らずに色調が鮮やかで美しいものが良いとされています。色・濃淡から品種やワインの状態、貯蔵期間などを判断することもできます。
ワインには、ぶどう本来の香り、発酵によって得られる香り、熟成とともに生まれてくる香りがあります。まずは、グラスに鼻を近づけ、静かに香りを嗅ぎましょう。続いて、グラスの脚を持ってゆっくりと回し、空気に触れさせることでさらに多くの香りを嗅ぎとることができます。果物や野菜、香辛料など、日常に存在する香りをワインの中に発見し、たとえてみると、楽しみも一段と増します。
ワインを少量口に含んで、舌の上で軽く転がし、甘み、酸味、渋み、苦みなどを確認していきます。その他、全体的なバランスやボディ(コク)、複雑味、余韻など、ワインの味わいをさまざまな側面から確認することでワインをより楽しむことができます。
ワインの味わいは「甘み」「酸味」「渋み」「アルコール」の4つの要素で表します。
主に白ワインで感じる味。白ワイン、ロゼワインの場合に「甘口・辛口」と表現し、極甘口から極辛口があります。
ぶどう果汁の糖分が酵母の働きによってアルコールと炭酸ガスに分解される行程が“発酵”で、「甘口・辛口」は、この発酵の度合いによって決まります。発酵後の糖分が多ければ甘口、発酵が進めば進むほど辛口のワインになります。
ワインのうまみの大きな要素で、強すぎても弱すぎても味わいを損ないます。
主に赤ワインで感じます。渋み・苦みの成分であるタンニンは、熟成するうちにマイルドになってきます。
他の要素とのバランスにもよりますが、どちらかといえばアルコール分が高いとコクと甘みが感じられます。
上記1〜4のバランスによってワインを評価したり、味わいを表現したりするわけですが、赤ワインでは「ボディ」という言葉もよく使われます。「ボディ」とは、口の中で感じられるワインの重み・コクのこと。アルコール分や果実味・エキス(タンニン、有機酸、糖分など)の割合によって変化します。この成分が強いとフルボディと呼ばれ、逆に弱いとライトボディと呼ばれます。フルボディのワインは凝縮されたぶどうを厳選し、樽で熟成させて木の香りをつけるなど、手間暇をかけて造られたワインと言えます。
ワインの保管の仕方として推奨されるのは、温度変化が少なく、光の当たらない涼しい場所で、ボトルを寝かせておくことです。これはワインの栓として使われるコルクを、常に湿った状態に保っておくためです。コルクは天然物で伸縮性の高い素材のため、古くからワインの栓として使われていますが、乾燥してくると少しずつ縮み、ボトルとコルクの間に隙間ができます。その隙間から空気(酸素)がボトルに入り、ワインを酸化させてしまいます。ボトルを寝かせて保管するのは、コルクの乾燥を防ぐためです。ただし、これは長期間熟成させるワインの場合で、比較的若い段階で楽しむワインの場合は必ずしもボトルを寝かせておく必要はありません。スクリューキャップのワインは、密閉性が高いのでボトルを立てておいても問題ありません。
ワインを飲み残してしまったら、なるべくワインが空気に触れないように保存すると数日間は冷蔵庫にて保存できます。飲み残したら、小瓶に移し替え、なるべく空気に触れないよう、常に満量にしておき、キャップ(コルクよりスクリューキャップの方が良い)をして冷蔵庫に入れておくと、酸化しにくくなり、味の変化が少なくて済みます。酸化防止剤無添加のワインはやはり酸化に弱いので、一度開栓したらできるだけ早くお飲みになるのが良いでしょう。
ワインは、長期熟成タイプのものや早めに飲んだ方がいいものなど品種やタイプによって、飲み頃の時期が異なるため、はっきりとした「賞味期限」はないと言われています。熟成タイプのワインでも数年で飲み頃がくるものから10年以上の歳月を要するものなどさまざまです。また、保存状態によっても、味は大きく変化します。ワインは非常にデリケートなお酒ですから、高温や温度変化の激しいところに置くと風味が低下します。開栓前のワインをおいしくお楽しみいただける目安は、早飲みタイプのワインで1〜2年ほどになります。
かつては一般的に「肉料理には赤、魚料理には白」と言われていましたが、最近はそれだけにとらわれることはなくなってきました。ワインは、酸味、甘み、渋み、うまみ、果実味などが混在し、香りの成分もさまざまです。ワインと料理、お互いを引き立て合うバランスを重視し、酸味が特徴のワインには酸味のある料理、濃い重めのワインには、料理も濃厚な味のものを合わせるのが基本で、一般的には次のようなことが言われています。
赤っぽい料理であれば赤ワイン、白っぽい料理であれば白ワインのように、メインとなる食材の色とワインの色を合わせてみましょう。例えば、牛や子羊の赤身肉には赤ワイン、白身魚や豚や鶏肉のような白身肉には白ワインを選ぶのが理想です。えびや生ハム、サーモンなどにはロゼワインや白ワインがおすすめです。
同じ食材でも、調理方法によって合うワインが異なります。肉料理でも、こってりしたコクのある味付けには重めの赤ワインが合いますが、クリームソースやハーブ、レモンなどを使った味付けには白ワインが合います。すなわち、重い料理なら重いワイン、軽い料理には軽いワインというように、お互いの共通点を見つけるのがポイントです。
イタリア料理にはイタリアワインを合わせるなど、産地が同じもの同士の組み合わせは、その土地の風土に適したものが作られているため、安定感のある相性なのです。
この原則に照らして「日本料理のようなさっぱりした料理に合う赤ワイン」を考えてみると、あまりタンニン(赤ワインの渋みや苦みの元となる成分)が多くなく、酸味が高めのさっぱりした赤ワインとの相性が良いと言えます。ぶどう品種では例えばピノ・ノワールやガメイなどがおすすめです。ピノ・ノワールは世界中で栽培されていますが、中でもフランス・ブルゴーニュ産がおすすめです。
何を合わせたらいいかわからない・・! と迷ってしまったときには、辛口のスパークリングワインを合わせてみてください。シュワシュワの炭酸が効いており、どんな料理にも合わせやすい万能ワインです。また、カジュアルなシーンでは白ワインのソーダ割り(スプリッツァー)や赤ワインのソーダ割り(ティント・デ・ベラーノ)もおすすめです。