ランソン社シェフ・ド・カーヴ。1965年フランス・マルヌ県ヴィトリー・ル・フランソワ近くのぶどう栽培農家に生まれる。フランス各地のワイン産地でインターンシップを経験。ランス大学卒業後、1年間カリフォルニアのワイナリーに従事。1991年、シャンパーニュメゾン、マイィ社のワインメーカーに就任し、22年の経験を積む。その仕事ぶりが評価され、2013年よりランソンの醸造チームに抜擢。前シェフ・ド・カーヴのジャン・ポール・ガンドン氏の仕事を引き継ぎ、シェフ・ド・カーヴに就任する。
※商品は2015年当時のデザインです。
現在は変更されております。
ひと言でいうと、ランソンに関わるほぼすべての仕事をしています。例えばぶどう畑では、ぶどうの成長をチェックし、栽培家たちと話し合い、収穫期には収穫のタイミングを決定します。と同時にセラーでは、すべてのリザーブワインをテイスティングし、データを収集し、最終的なブレンドを行います。もちろん醸造や熟成の指揮も取ります。時には海外に出向き、消費者であるお客様と直接会ったり、マーケットの動向をチェックしたりもします。
ええ、その通りです。ただし、メインとなる仕事はやはり、シャンパンを造ることです。それもランソン・スタイルのシャンパンを造りあげることです。その意味でシェフ・ド・カーヴとは、メゾンのスタイルを守るガーディアン(番人・守護神)といえるかもしれません。
美しく繊細な酸味がもたらすフレッシュさと瑞々しい果実味です。これは250年以上の歴史を誇るランソンというメゾンが築き上げ、継承してきた揺るぎないスタイルです。いつの時代も、ランソンのシャンパンはフレッシュでフルーティでなければなりません。
ランソン
ブラックラベル・ブリュット
最も特長的なのは、ほとんどのメゾンが採用しているマロラクティック発酵*を行わない、という点です。これがランソン・スタイルのフレッシュさと果実味を生み出します。
マロラクティック発酵を行わない造り方(ノン・マロラクティック)は、シャンパーニュ地方で昔から行われてきた伝統製法です。我々ランソンはシャンパーニュの伝統に敬意を払い、その伝統を引き継いでいるのです。
※マロラクティック発酵とは、ワインの中の乳酸菌により、リンゴ酸が乳酸と二酸化炭素に分解される現象。
酸味が柔らかく、まろやかなワインとなります。
ランソン社ではマロラクティック発酵を行わず、酸を残すことでゆっくりとした熟成を促し、果実味や新鮮さを保ちながら味わいを深めています。
ランソン・スタイルは不変です。私はそのスタイルをリスペクトしていますから、特に変えたことはありません。スタイルは変えませんが、さらにクオリティを上げようと日々試行錯誤しています。
昨年(2014年)、新しくフレンチオークの大樽を導入しました。3つのサプライヤーから、アルゴンヌ産やリムーザン産など微妙に特長の異なる23樽を仕入れました。また55基のステンレスタンクも導入しました。これらにより、より細分化された醸造が可能となり、より精密でより複雑なブレンドが実現できるようになるはずです。今後を楽しみにお待ちください。
ブラックラベルはランソンのフラッグシップ・シャンパンです。ランソンのスタイルであるフレッシュさと果実味を存分に感じられることでしょう。これにピノ・ノワール由来のパワー(力強さ)が加わり、三位一体のバランスのとれた味わいに仕上げられています。
いつでも、どこでも、何と合わせても、おいしくいただけるシャンパンです。ですから、我々は“ユニバーサル・シャンパン”と呼んでいるくらいです。
ブラックラベル以外のノン・ヴィンテージも同様、ランソン・スタイルを見事に反映したシャンパンです。いつでも同じクオリティのシャンパンを製造するのは、実は難しい作業なのですが、ランソンはシャンパンメゾンでも最大規模のリザーブワインをストックしているので、安定したクオリティを保つことができるのです。セラーには1998年〜2013年までのリザーブワインが、品種ごと、クリュ(畑)ごとに管理され、ブレンドされる時を待って静かに眠っています。
ノーブル(気品ある、高貴な)という名前の通り、エレガンスやフィネスに主眼を置いたシリーズです。穏やかでゆっくりとした熟成を促すことで、ランソン・スタイルのフレッシュさや果実味を保ちながらも、味わいを上品に深めています。
使用するぶどうは、シャンパーニュ地方の中でも最もノーブルな村の、最もノーブルなグラン・クリュのみ。醸造や熟成においても常に“ノーブル”というワードを意識し、細心の注意を払ってデリケートに造り上げています。口に含んだ瞬間に、贅沢でゆったりした気分になっていただけたらうれしいです。
日本の皆さんはシャンパンの楽しみ方を知っているし、消費量も右肩上がりに伸びているようです。どうぞ、今後もシャンパンを楽しみ続けてください。我々ランソン社は、そんな日本の皆さまの期待に応えられるような、素敵なシャンパンを造り続けていきます。