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Bols Around The World Finals 2014 ボルス・アラウンド・ザ・ワールド2014 日本代表 渡邉由希子さん密着レポート! 今年で第8回目となるオランダ・ボルス社主催による「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド(以下BATW)」。2014年大会は、5月16日〜20日の5日間、ボルス社の本拠地であるアムステルダムで開催された。日本代表は渡邊由希子さん。3年連続で女性バーテンダーが選ばれることとなった。渡邉さんの活躍ぶりを中心に、BATW2014の全貌をお届けしよう!

Day1 2014年5月16日

カフェやレストラン、劇場などが集まり、アムステルダムでも最も賑やかなライツェ広場。その一角に建つアパートメントのペントハウスに、この日、各エリアの予選を勝ち抜いてきたコンテンダー(選手)たちが顔をそろえた。

今年は世界5大陸、76の国と地域から3000名以上のバーテンダーが予選にエントリー。インターネットを通じて、カクテルレシピ提出、ドリンクメニュー作成、PRムービー制作という予選プログラムを通過した18エリア18名のバーテンダーがアムステルダムに集結した。加えて、今年は各国のアンバサダーたちも一堂に集結。万全の態勢で選手たちをサポートした。

昨年同様、ここに集まったすべてのコンテンダーがグランドファイナル(決勝)の舞台に立てるわけではない。Day3とDay4にかけて行われるセミファイナルを勝ち抜いたわずか8名のバーテンダーだけが、グランドファイナルに進出できる。さらに「ボルスアンバサダー」の称号が与えられ、今年秋にアムステルダムでの特別研修(予定)に招待されるのも、勝ち残ったファイナリスト8名だけの特権となる。

セミファイナル、およびファイナルの課題は予め告知されていたものの、スケジュールの詳細はこの日はじめて発表された。そのなかでDay2には、チーム対抗のアムステルダム・チャレンジが行われ、優勝チームにはセミファイナルの日程選択権が与えられることが告げられた。一方セミファイナルのThe Pitch(プレゼンテーション)チャレンジにおける、課題プロダクトの抽選も行われた。渡邉さんが引いたのは「ボルス ハニー」。日本未発売のリキュールゆえに、少々戸惑っている様子だった。

この日はペントハウスでディナーを取りながら、昨年優勝したラスティ・セルヴェン氏の“BATWチャンピオンとしての1年”というスピーチを聞いた。セルヴェン氏が「チャンピオンになって、人生が一気に開けたよ!」と語ると、コンテンダーたちは総合優勝に向けてスイッチが入ったようだった。その後はラウンジバー「Dvars」へと流れ、長い一日を締めくくった。

Day2 2014年5月17日

ペントハウスに集合し朝食を済ませると、それぞれにオランダ名物の自転車があてがわれた。午後に行われるアムステルダム・チャレンジでは、どうやら自転車を使うらしい。

午前中はペントハウスからほど近いボルス本社に向かい、地下1階と1階に併設された「ハウス・オブ・ボルス」で、ボルス社の歴史と世界観を学んだ。その後は世界的なバーコンサルタントのデイブ・レイ氏による「Pop up bars and developing bar concepts」というセミナーがあった。これは簡単に言ってしまえば、バーのプロデュース講座。セミファイナルのThe Pitchチャレンジにも直結する内容だったため、どのコンテンダーも真剣な眼差しで受講していた。

テラスでのランチの後、アムステルダム・チャレンジの内容とチーム分けが発表された。コンテンダーたちは3人1組のチームに分かれ、封筒に書かれたヒントを頼りに計6ヵ所の目的地を自転車で目指す。それぞれの目的地でクイズが出題され、正解するとスタンダードカクテルのレシピの一部を手に入れられる。最終的に、手に入れたレシピを組み合わせて、どんなスタンダードカクテルが完成するのかを当てるチャレンジだ。渡邉さんは、ドイツ代表のクリスチャン・ケルン氏とエストニア代表のアンドレイ・カザコフ氏とチームを組むことに。言葉も文化もバックボーンも違うなか、英語とバー用語、身振り手振りでコミュニケーションを取りながら、目的地へと自転車を走らせた。

同チャレンジでコンテンダーたちが訪れたのは以下の通り。今年ボルス社が市内に新しく起ち上げた「ルーカス・ボルス蒸溜所」、オランダ風アップルパイの有名店「Winkel 43」、オランダ名物のチーズ専門店「Reypenaer」、アンネ・フランクの家のすぐ横にある西教会、1650年創業のブラウンカフェ「De Drie Fleschjes」、そして最終目的地のオランダ海洋博物館。途中、マーケットにも立ち寄り、セミファイナルで使えそうな材料も調達した。

駆け足でめぐる自転車ツアーだったものの、天候にも恵まれ、コンテンダーたちはみな満足な様子。なによりチームプレーを通して、選手同士の距離がぐっと縮まったようだ。またアムステルダムの街を自転車で回ることにより、セミファイナルThe Cocktailチャレンジの創作イメージも固まってきたように見受けられた。

ディナー会場においてアムステルダム・チャレンジの優勝チームが発表。地元オランダ代表のアイルト・クラメル氏が率いるチームが優勝し、セミファイナルの日程選択権を得た。その後、セミファイナルの順番が発表されると、緊張感が一気に高まった。渡邉さんは、Day3にThe Cocktailチャレンジを、Day4にThe Pitchチャレンジを行うことに決まった。

Day3 2014年5月18日

この日はいよいよセミファイナルの初日。ここで改めて、セミファイナルについて説明しておこう。セミファイナルは、The CocktailチャレンジとThe Pitchチャレンジの2部構成となる。

The Cocktailチャレンジでは、制限時間15分で「アムステルダムにインスパイアされた革新的なオリジナルカクテルの創作」を行う。カクテルメイキングのみならず、創作意図やカクテルに込めた想いなどを同時にプレゼンテーションしなければならない。一方The Pitchチャレンジは、制限時間5分。Day1の抽選で引いた課題プロダクトのポップアップバーをプロデュースするとして、自分ならどんなバーを展開するかを提案しなければならない。バーテンダーとしてはもちろん、アンバサダーとしての資質を問われるチャレンジだ。

会場となったのはボルス本社2階の「ボルス・バーテンディング・アカデミー(BBA)」。午前中はチャレンジごとに、各自、準備や調整に追われた。ランチ後、いよいよセミファイナルがスタート。渡邉さんはThe Cocktailチャレンジの6番目として登場した。渡邉さんが創作したカクテルは「Café de Ams」。Day2でアムステルダムの街をめぐった際に印象に残ったカフェのある風景からインスピレーションを得た。

渡邉由希子 Yukiko Watanabe

ザ・プリンス パークタワー東京「スカイラウンジ ステラガーデン」バーテンダー。

渡邉さんの課題プロダクトは「BOLS HONEY」

渡邊由希子さん

ボルス ジュネヴァをベースに、ガリアーノ リストレット(エスプレッソリキュール・日本未発売)、マスカルポーネチーズ、キャラメルシロップ、コーヒー豆を使用し、シェイクスタイルで仕上げた。コーヒーの普及に貢献したオランダの歴史やオランダ名物のチーズ、ストロープワッフルをイメージさせるキャラメルなどを組み合わせ、ガーニッシュにはドライフルーツのアソートを添えた。お酒以外の材料はすべてDay2で立ち寄ったマーケットで調達したものだ。渡邉さん自身、普段のバーテンディングではプレゼンテーションしながらカクテルをつくる機会が少ないため、思い通りのパフォーマンスができなかったとしきりに後悔していた。しかしながら、味の評価は高く、ジャッジに渡ったカクテルはすべて飲み干され、空のグラスとなって戻ってきた。

その後ディナーを経て、アムステルダムの有名バー「Door 74」へ。ここで翌日の順番が発表された。渡邉さんはThe Pitchチャレンジの1番手だったため、早々とシェアアパートメントに戻ることにした。この時点で、すでに深夜12時半を過ぎていた。

Café de Ams

渡邊さんセミファイナルカクテル Café de Ams

recipe

ボルス ジュネヴァ 40ml
ガリアーノ リストレット(日本未発売) 15ml
マスカルポーネチーズ 20ml
キャラメルシロップ 10ml
コーヒー豆 4粒

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