特集 MONTHLY SPECIAL ISSUE
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「ブナハーブン」醸造責任者が語る、ブランドの現在と未来。 Master Distiller Tells the Truth of Bunnahabhain  Bunnahabhain ISLAY SINGLE MALT SCOTCHWHISKY Since 1881

創業1881年。アイラ島の北東端、人里離れた入り江に構えるブナハーブン蒸溜所。このたび来日したマスターディスティラーのイアン・マクミラン氏が、ブナハーブン蒸溜所の“現在と未来”について語ってくれました。

蒸溜所の方向性について、ヘビーピートの「トチェック」について、そして2010年に自身が敢行した大改革について……。イアン・マクミラン氏がブナハーブンを語ります。

ブナハーブン蒸溜所

MONTHLY SPECIAL ISSUE 1

まずマスターディスティラーであるマクミランさんから見た、
ブナハーブン蒸溜所の特性を簡単にお教えください。

「いきなり難しい質問ですね(笑)。特性を語る前に、少しブナハーブンの歴史を紹介させてください。ご存じかもしれませんが、ブナハーブンの創業は1881年。当時はシングルモルトという概念は存在せず、ほぼ100%ブレンデッド用の原酒を蒸溜していました。これは他のアイラ島の蒸溜所も同様です。実は、その当時のブナハーブンは、アイラ島のモルトらしく、非常にピーティーでスモーキーな味わいだったのです」

アイラ島

ブナハーブンがピーティーですか?

「はい、皆さん驚かれます(笑)。第二次世界大戦後、世界的にウイスキーの生産量が伸びたことで、ブナハーブン蒸溜所もポットスティルを増設しました。1963年のことです。この時、ブナハーブン蒸溜所にとって大きな変革がなされました。モルトを“ノンピート”のものに変更したのです。あくまで主流はブレンデッド用の原酒づくりですから、いわゆるアイラスタイルのピーティーなモルトよりは、ノンピートの優しい味わいのモルトのほうが市場原理にかなっていたのです」

「その後1979年に蒸溜所として初となるシングルモルト『ブナハーブン12年』を発売。もちろんモルトはノンピート。つまり、他のアイラの蒸溜所とは一線を画する“優しい味のアイラ”が世に出ることになったのです」

ノンピートと言い切ってしまっていいのですか?

「正確には、現在使用している大麦のピートのレベルは2ppm以下です。でも、これはノンピートといってしまって問題のない数字です」

なぜノンピート(スモールピート)ウイスキーに特化しているのでしょうか?

「前述したような歴史的な背景もありますが、“ノンピートの優しい味わい”というのがブナハーブンのハウススタイルとして世界的に認められているからです。すでに多くのファンも存在しています。ですから今後も、飲みやすく親しみやすい“優しい味のアイラ”をつくり続けていく予定です」

そんななかラインアップを拡大し、
ヘビーピートの「トチェック」を発売したのはなぜですか?

「私は2003年にブナハーブンのマスターディスティラーを任されました。すでに世界中にブナハーブンのファンがいましたから、まずはハウススタイルである“優しい味のアイラ”を継続していく必要がありました。私がマスターディスティラーに就任してから、12年の延長として、18年(日本未発売)と25年をリリースしました」

ブナハーブンのマスターディスティラー イアン・マクミラン氏

「と同時に、ブナハーブンの創業当時の味である、オールドスタイルのブナハーブンも世に知らしめたいと考えました。1963年以前のピーティーでスモーキーなブナハーブンです。現在、当蒸溜所では『モアン(日本未発売)』というピートレベル40ppmの大麦を使ったモルトを生産しています。ノンピートの原酒とこの『モアン』をブレンドして、ほどよくスモーキーな味わいに仕上げたのが『トチェック』です。ご存じのように、『トチェック』はゲール語で“スモーキー”という意味です」

つまり現在のブナハーブンには、ノンピートのモルトとピーティーなモルトの
2つのスタイルがある、ということですか?

「その通りです。ブナハーブン蒸溜所の本来あるべき姿を表現しようと考えたとき、1つのスタイルでは歴史的背景やアイラの自然を表現しきれませんでした。ですから現在はノンピートとピート、つまりは1963年以降と1963年以前という、2つのスタイルのモルトウイスキーをつくっています」

では2010年にすべてのコア商品をアルコール度数46.3度、
ノンチルフィルター(無濾過)、ナチュラルカラー、に変更した理由は何ですか?

「理由は簡単です。本来あるべきブナハーブンの姿をそのまま表現したかったからです。ブナハーブンを飲んでくださるお客さまに、ブナハーブンが持つ本来のカラー、すべてのアロマ、すべてのフレーバーを味わっていただきたいのです。ブナハーブンのポテンシャルに自信があるからこそ、こうした改革に踏み切ることができました」

イアン・マクミラン 氏

イアン・マクミラン Ian McMillan

ブナハーブン蒸溜所マスターブレンダ―兼マスターディスティラー。英国スコットランド生まれ。1973年にグレンゴイン蒸溜所で働き始めたことをきっかけに、ウイスキーの世界へ。その後、ポート・ダンダース蒸溜所、カレドニアン蒸溜所、某有名ロンドン・ドライジンの蒸溜所、グレンタレット蒸溜所などを経て、バーン・スチュワート・ディスティラー社へ。現在は同社が所有するブナハーブン蒸溜所、トバモリー蒸溜所、ディーンストン蒸溜所の3つの蒸溜所でマスターブレンダ―兼マスターディスティラーを務める。

ブナハーブン12年

ブナハーブン12年

「ブナハーブン」蒸溜所が1979年に初めて発売したシングルモルトスコッチ。アイラ特有のスモーキー、ピーティーといったフレーバーが抑えられ、優しい口当たりで飲みやすいのが特徴です。

ブナハーブン25年

ブナハーブン25年

他のアイラよりなめらかでソフトにも関わらず、熟成感やタンニンもしっかりと感じられる逸品。様々なブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使用されている高い品質を誇っています。

ブナハーブン トチェック

ブナハーブン トチェック

やわらかな味わいが特徴の「ブナハーブン」。そのポートフォリオにありながら、あえて、ピートの影響を受けた大麦麦芽に由来するスモーキーさを与えられたラベルです。海外では非常にユニークな製品として注目の的となっています。

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