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平成11年1月6日
平成11年度 アサヒビール事業方針
「国内ビール市場で盤石な地位を築く」
「海外市場における飛躍」「アサヒビールグループとしての経営力強化」
〜国内ビール出荷箱数前年比2桁増、海外でのアサヒブランド販売量倍増を目指す〜
アサヒビール株式会社
 
 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 瀬戸雄三)は、創業110周年という節目の年にあたる本年、「国内ビール市場における盤石な地位を築く」「海外市場における飛躍の実現」「アサヒビールグループとしての経営力強化」の3つを最重要課題として、事業活動を展開していきます。
 
1.昨年の総括

 昨年のビール業界は、景気の低迷や夏場の天候不順などが影響し、年間では前年比92%程度となったものと推定されます。
 その中で当社は、スタイニーボトルの新発売やトータルフレッシュマネジメント(品質・鮮度追求)活動の徹底など、主力商品・アサヒスーパードライのブランド・パワーをさらに拡大させる商品戦略と、業界に先駆けて構築した情報インフラを駆使して収集したお客様・流通情報に基づいた「提案型」営業活動を積極的に展開してきました。
 その結果、当社のビール出荷箱数(速報値)は年間で過去最高となる約1億9400万箱(前年比106%程度)となり、業界で唯一前年を上回ることができました。シェアも5ポイント以上拡大し、約4割にまで上昇したものと推定されます。これにより6年連続でシェアアップを達成したものと思われます。
 スーパードライは、売上箱数約1億8400万箱(前年比108%)と、各社の主力ブランドが前年を下回る中で、突出した高い伸びを記録しました。1つのビールブランドが1億8000万箱を超える売上を記録するのは、昭和62年以来11年ぶりのこととなります。

 ビール事業の海外展開については、3月に中国・煙台ビール会社でのスーパードライの現地生産・販売の開始、同じく3月に米国でミラー社との合弁による販社・アサヒビールUSAの設立、また5月にはヨーロッパでの販売促進活動を強化するため現地法人・アサヒビール・ヨーロッパの設立など、アサヒビール(株)が国際展開の重点地域としている中国・北米・欧州の各地域で、生販体制の基盤強化を進めることができました。

 生産設備の面では、6月に当社9番目のビール工場「四国工場」が愛媛県・西条市に竣工。四国のお客様にさらに新鮮なビールを供給することを可能にしたほか、社会的関心がますます高まる環境保全の側面でも次世代のモデルとなる工場として操業を開始しました。
 環境保全への取り組みに関しては、11月に四国工場を含め全9工場で「廃棄物再資源化100%」を達成。 CO2排出削減、ノンフロン化工場の実現の両面から取り組んでいる温室効果ガスの削減については、2005年にCO2排出量を原単位で1990年比43%減実現を目標とし、中期計画に基づいた新技術の導入、設備の刷新にも着手しています。

 こうした事業活動の結果、アサヒビール(株)の平成10年度の売上金額は、過去最高を更新し、昭和24年の創立以来初めて1兆円を超えるものとなりました。

 また、ビール以外の部門についても、ワイン部門が販売数量前年比175%、アサヒビール食品(株)が売上金額前年比125%、アサヒビール薬品(株)が113%と何れも順調に業績を上げることができました。

 
2.本年の方針・計画
 本年は、当社にとって創業110年、創立50周年という大きな節目の年にあたります。昨年度、売上高1兆円超を達成できたことをふまえ、そうしたお客様のご評価に応えいっそうの「お客様志向」「品質志向」を徹底するとともに、自らの変化で業界をリードしていく「新しいステージ」での企業行動=挑戦を行っていきたいと考えます。
 以下の3つのポイントを最重要課題として、新しいステージに立つ企業行動を推進していきます。
(1) 国内ビール市場における盤石な地位を築く
   本年の国内ビール市場全体の販売数量は、ほぼ前年並みで推移するものと思われます。当社は「すべてはお客様の“うまい”のために」を合い言葉に、より積極的な商品戦略、営業活動を展開、業界をリードしていきたいと考えます。

 商品戦略では、スーパードライを中心に据え、ビールの多様性を提案する個性派商品群を周囲に配置・強化するとともに、ビール飲用領域の拡大を目指す戦略的新商品ビアウォーターを発売し、ビール市場の活性化を喚起していきます。スーパードライについては、ビールの定番市場での群を抜いたご支持をさらに高めるマーケティングを展開し、前年比9%増の2億箱の売上を目指します。また、昨年発売し新しいビール飲用スタイルを確立したスタイニー・シリーズは、ラインアップを充実させ、前年実績倍増の売上1750万箱への拡大をはかります。

 営業面では、全社情報ネットワークを活用しながら「最高の品質の提供」と「業態・地域に密着した提案型営業」に主眼をおいた活動に徹します。最高の品質の提供については、トータルフレッシュマネジメント活動をさらに拡大展開し、昨年達成した「製造から店頭まで7日台」のさらなる短縮を目指します。また、伸長の続く樽生ビール市場にむけては、アサヒ樽生クオリティセミナーを従来の全国4拠点から東北校・中部校・四国校の3拠点を新設し7拠点とするほか、土日祝日の樽生メンテナンス体制を従来実施の首都圏・京阪神に加えて札幌では土日祝日、仙台、名古屋、広島、福岡では土曜日にも拡大実施し、品質管理支援体制を強化していきます。
 業態・地域に密着した提案型営業については、昨年9月の大幅な組織改訂によって2圏本部(首都圏・近畿圏)6地区本部を増員・強化し、業態や地域に即した販促・営業企画の立案力を高めています。また地域密着の面では、沖縄県において「沖縄アサヒ販売株式会社」の営業を1月5日から開始し、業界で唯一全都道府県に拠点をもつ体制を完成させました。

 こうした事業活動によって、アサヒビール(株)は業界平均を大きく上回る、国内ビール出荷前年比10%増の2億1400万箱を目指します。
(2) 海外市場におけるアサヒビールの飛躍の実現
   海外展開については、重点地域とする中国、北米、欧州を中心に、さらに積極的な事業展開を行っていきます。

 中国では、広東省・深市に建設中の「深青島ビール朝日有限公司」の新鋭工場が、中国2カ所めのスーパードライの生産拠点として、いよいよ今春に稼働を始めます。本年は、スーパードライの沿岸部主要都市での販売に力を入れ、朝日酒(ビール)とあわせたアサヒブランド合計で、300万箱(1箱は640mlX12本)の売上を目指します。
 また経営参加する4社5工場(杭州・泉州・北京・煙台・嘉興各ビール会社)の技術・経営の向上を支援し、総ビール販売量を、前年見込み37万キロリットルからさらに引き上げていきます。
 北米では、日系マーケットのみならず現地マーケットへのスーパードライ拡販活動を続け、 前年比2倍超の200万箱(1箱は355ml×24本)達成を目標とします。
 欧州では、英、仏、独市場を中心に販促を強化し、前年の2.6倍の21万箱(1箱は330ml×24本)の売上を達成し、予定している現地生産開始につなげていきます。
 この3地域を中心として、本年の海外市場におけるアサヒブランド全体での年間販売箱数は、前年比220%となる740万箱(現地実数計)を目指します。
(3) アサヒビールグループとしての経営力強化
   明年2000年には国際会計基準が導入されることを鑑み、昨年新設したグループ・グローバルマネジメント本部を中心に、グループ経営力の強化を進め、強い企業集団を目指していきます。
 なお、ビール以外の部門の平成11年度の目標は次の通りです。

ワイン部門 前年比160%以上(販売数量ベース)
アサヒビール食品(株) 前年比111%  (売上金額ベース)
アサヒビール薬品(株) 前年比124%  (売上金額ベース)
  以上



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