ビールづくりの最も古い記録としては約5000年前、メソポタミア地方のシュメール人の遺跡から発見されています。彼らのビールは麦を発芽させ、乾燥したものを粉状にしてパンを焼き、これを砕いて水を加えて自然発酵させたものだったようです。古代人はやがてさまざまな麦やキビ、ナツメヤシを添加したものなど数10種類ものビールをつくりはじめたというのですから、人類のビールへの愛着ぶりがうかがえます。

ビールにホップが使われ始めたのは8世紀のドイツ。それまでビールにさまざまな薬草(グルート)を混ぜて飲んでいたのですが、たまたまホップを使ったところビールの日持ちが良くなり、それ以降さかんに使われるようになったそうです。ちなみにドイツでは1516年に「ビール純粋令」という法律が定められて以来、ビールには麦芽、水、ホップ以外のものを使用することが禁じられ続けています。

日本にビールが伝わったのは江戸中期、長崎のオランダ人からという説が有力です。当時の「和蘭問答」(1724年)には初めてビールを飲んだ日本人の感想が載っています。「麦酒給見申候処、殊他悪敷物にて、何のあぢはひも無御座候…」と記されており、ビールの苦い味にびっくりした様子がうかがわれます。江戸末期には多くの西洋人が渡来するようになるとともに、日本人の富裕層の間にビールは徐々に広まっていきました。

ビールが一般人に普及して間もない1891年(明治24年)、日本人の手による初めての近代的ビール工場「大阪麦酒会社吹田村醸造所(アサヒビール吹田工場の前身)」が完成しました。それまで経験とカンに頼っていたビールづくりが一挙に機械化され、一年中飲めるようになった画期的なできごとでした。

吹田村醸造所の開設に尽力したのが生田秀(いくた・ひいず)という人でした。単身ドイツに渡り本場の醸造技術を学び、日本人初の「ブラウマイスター」、いわば“ビールの杜氏(とうじ)”となって帰国したのです。彼が持ち帰った近代的手法と工場模型をもとに、日本の国産ビールがスタートしました。
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1895年(明治28年)に、夏だけの特設ビアホール「アサヒビール会」が大阪・中之島に開店しました。その2年後の1897年には本格的なビアホール「アサヒ軒」がオープンして連日大盛況だったとか。
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世界で初めて「缶入りビール」が登場したのは1935年のアメリカです。日本での第1号は1958年(昭和33年)、アサヒビールの吹田工場が最初です。当時はスチール缶でした。

今日では缶ビールといえばアルミ缶です。アルミ缶入りのビールを日本で初めて誕生させたのはアサヒビールです。1971年(昭和46年)、アサヒビールの吾妻橋工場(現在の本部ビル所在地)でつくられました。
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