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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

オジサンだけが知らない?主婦のブーム

カラフル鋳物ほうろう鍋が女性の心をつかむ理由 ル・クルーゼ、ストウブ、バーミキュラ、シャスール……女性たちに人気の鍋を一挙紹介!

文:小林 孝延

11.06.2014

ル・クルーゼに代表される、鋳物製ほうろう鍋が相変わらず人気です。理由は、スタイリッシュな外観と高い機能性。今回は鍋のことがイマイチわからないオジサンのための、ほうろう鍋講座です。

フランス生まれのル・クルーゼに代表される、鋳物製のほうろう鍋が相変わらず大人気です。その理由は、スタイリッシュな外観と手をかけずともおいしい料理ができる機能性にあります。

以前はル・クルーゼが一人勝ちだった市場にも、今や様々なプレーヤーが登場し、デザイン性、機能性、そしてコストパフォーマンスを競っています。それはまるで戦国時代さながら。そこで今回は、「なぜそんなに高い鍋がいいの!?」と、今ひとつ魅力を理解できないオジサンのために、「カラフル鋳物ほうろう鍋がなぜ女性の心をつかむのか?」を書いてみたいと思います。

鋳物ほうろう鍋の横綱、ル・クルーゼ

横綱という呼び方がすでに女子的ではないですね。女性に語るときはやめた方がいいでしょう。横綱でなければクイーンでしょうか。それもちょっと違うような……。

とにかく、世界で鋳物製ほうろう鍋の代名詞と言えば、ル・クルーゼです。ル・クルーゼは鋳物の町として歴史のあるベルギー国境近くの北フランスのフレノワ・ル・グランで1925年に産声を上げました。「クルーゼ」とはフランス語で坩堝(るつぼ)という意味。高温で溶かした鋳鉄を方に流し込む製法を意味しています。

最大の特徴は、ふんわりとやわらかい熱で素材をつつみ込む熱伝導性と、蒸気を逃しにくい重いフタによる機密性の高さ。これによって素材からうま味が存分に引き出され、ただ火を通すだけで普通の鍋とはくらべものにならないくらい、おいしくなります。また、ガラス質エナメルを焼き付けたほうろうは耐久性が高く、一生ものと言われています。

カラフルでタイプも様々な鋳物製ほうろう鍋。
料理の味だけでなく料理するときの気持ちまで満足感でいっぱいになる(著者撮影)

日本に入ってきたのがいつ頃なのか明確にはわかりませんが、日本法人が設立された1991年には直営店はまだなく、フランス製のキッチン雑貨を扱う米国資本の雑貨店で主に扱われていたと思います。

かくいう僕も上京したての頃、そのお店で青いル・クルーゼを確か3万円以上出して買ったことを覚えています。当時はフランスに留学した経験がある人や料理家さんたちがその鍋をキッチンに美しく並べている姿がファッション誌などで紹介されていました。いつかはキッチンにル・クルーゼ……そんな憧れがブランドの神話になりました。

また、以前、僕がつくっていた雑誌でフレノワ・ル・グランのル・クルーゼ工場を取材したことがあるのですが、現地では職人の皆さんが親子3代に渡って代々、同じル・クルーゼの鍋を使うなど、モノを長く大事に使うことの大切さを教えてもらいました。

宮下奈都さんの小説『太陽のパスタ、豆のスープ』(集英社文庫)の中に、結婚が破談になり自暴自棄になっていた主人公の女性が、前を向いて歩きだすきっかけとなったのが黄色いル・クルーゼ。この鍋を買って豆を煮る。そうやって自分の大切なことに気付き、そして向き合っていく姿が描かれているのですが、つまり、それくらい「女性の暮らし」の象徴ともいえるのがル・クルーゼだと思うのです。

ル・クルーゼでつくったサンマごはん。ル・クルーゼはご飯を炊くのが大得意!
一度これで炊いたご飯を食べてしまうとやみつきに。
炊き方もいたって簡単。水加減さえ注意すれば失敗なし(著者撮影)

プロフェッショナルに愛されるストウブ

シェフやプロの料理家を中心に現在人気を博しているストウブの歴史は案外新しく1974年。同じくフランスのアルザス地方で生まれました。三ツ星シェフとして名高いポールボキューズと共同開発した触れこみにたがわず、蒸気を水滴化して素材に戻す突起をフタの裏側にほどこしたり、鍋の内部をざらっとしたマットエマイユ加工にすることで焦げ付きにくくしたりと、非常に機能的にできています。

ストウブの鍋(同社Webサイトより)

そしてなんといってもフタが重い。この重いフタでしっかりしまることで、素材のうまみを閉じ込めるのです。さらにフタの上部がくぼんでいますが、これは同じく鋳物鍋として有名なダッジオーブンでもおなじみの形状です。

ダッジオーブンの場合はここに炭を置いて上からも熱を回すのですが、ストウブの場合はここに氷をおいて鍋の内部の熱の対流を活発にします。これによって煮込みなどに短時間でしっかり味がしみ込むのです(ル・クルーゼにも同様のタイプがありますが日本未発売)。カラーバリエーションはカラフルなル・クルーゼに比べると渋めのようです。

一時期は注文から15か月待ち!日本製のバーミキュラ

バーミキュラの鍋(同社Webサイトより)

1936年創業の老舗鋳造工場が培ってきた技術を使って「世界一、素材本来の味が引き出せる鍋を!」という思いで2010年に愛知県で誕生するや注文が殺到中なのがバーミキュラです。

機密性が高くストウブよりさらにきっちりと遊びなくしまるフタや、持ちやすさを考慮したハンドル、フタのみにならず底面にもほどこされたリブなど、日本製らしい細部の丁寧なつくり込みが特徴。現在は生産体制も整い、注文から3カ月で手に入ります。

テレビショッピングで人気のシャスール

シャスールを初めて知ったのは、僕が編集長をしていた雑誌のインタビューに登場した料理上手で有名な女性タレントさんの言葉でした。

「今いちばんいい鍋はシャスールだよ。とにかくピンク色がかわいいの」

シャスールの鍋(同社Webサイトより)

まだ、ほとんど日本ではその存在が知られていない頃のことです。その方の言葉通り、シャスールのフラッグシップカラーである可憐なピンクを筆頭に、そのほかのパステルカラーもすべて、料理がおいしく引き立つ色ばかり。ちょっとマットな質感もおしゃれに敏感な女性の心をわしづかみするようです。

じつはこのシャスールも歴史は古く、北フランスの町ドンシェリーで1924年に創業したアンヴィクタ社が製造しています。最近では人気サロンを主宰するサロネーゼ、料理研究家の若林三弥子さんがショップチャンネルなどで紹介するたびに多くのファンが生まれているようです。

キャストポット、トップバリュ、IKEAなどリーズナブルな製品も続々登場

ここまでご紹介してきた4ブランドがまさに鋳物ほうろう鍋の四天王(これまたオジサンっぽい言い方!)なのですが、最近では同じような性能を持ちながら価格的にお手頃な鍋も多数登場しています。

キャストポットの鍋(グッドフェイスのWebサイトより)

キャストポットは調理器具などをプロデュースするグッドフェイスが開発した鍋です。ストウブと非常に似た構造を持ちながら、市場価格にして同サイズで3割程度も安く人気が高い。以前、開発データを見せていただいことがあるのですが、性能はフランス各社の鍋をしのぐほど。内側も焦げつきにくくてグッド。開発担当が苦労したというカラーも美しい発色を実現しています。

IKEAのほうろう鍋(同社Webサイトより)

トップバリュはいわゆる流通のプライベートブランド商品。それだけにさらに安い! キャセロールが20センチメートルで税込み8000円を切るというのは驚異的といえます。サイズのバリエーションは4タイプ+オーバル、カラーのバリエーションも4色と豊富です。

リーズナブルで高いデザイン性を誇るインテリアブランドであるIKEAからも、ほうろう鍋がリリースされています。IKEAらしくワンサイズ、ワンカラー展開。しかし価格は4000円を切る低価格です。

このほか、ニトリなどでもほうろうの低価格の鍋がリリースされているようです。

どの鍋を選ぶのがいいのか?

さて、これだけのラインアップの中から、どの鍋を選べばいいのでしょうか。日本でのル・クルーゼブームの火付け役となった料理本で、料理本のアカデミー賞とも言われるグルマン・ワールド・クックブック・アワードに入賞を果たした『「ル・クルーゼ」だからおいしい料理』(扶桑社文庫)の著者で、料理研究家の平野由希子さんにうかがいました。

「私自身はストウブとル・クルーゼしか使っていませんが、ストウブはどちらかというとプロフェッショナル、フレンチやイタリアンの厨房向きです。つまみも金属製なので、オーブンもOK燻製や肉焼き、長時間の煮込みに向いています。表面加工はザラザラなので、使い続けることによって、油がなじみます。

ただ、日本の家庭では、そこまでの強さを必要としない料理が主流です。煮込み時間もそれほど長い料理はあまり多くありません。土鍋や行平鍋で和食がつくられてきているように、鍋の重さ、強さが生かしきれない部分もあります。ごはんを炊いたり、日々の料理には、ル・クルーゼの方が使いやすいという声が時々聞かれます」

もちろん機能性は大切ですが、僕はいい道具というのはその背景にあるストーリーだと感じています。ほうろう鍋という物質と同時にそれがもつ物語を共有したいのです。その鍋を手に入れただけで、少しだけ女性として成長できる、あるいは素敵になれる。

出勤する前に水に浸けておいた金時豆がル・クルーゼの中で膨らんでいる。それを鍋ごと火にかけると、ようやく一息ついた。アパートの階段を上った勢いのまま部屋のドアからコンロの前に直行し、鍋をかけてしまうのがコツだ。(略)鍋が沸いてきたら火を弱め、この季節なら二十分くらい。それで豆はやわらかくぽっくりと煮え上がる。

(前出の『太陽のパスタ、豆のスープ』より引用)

その鍋を手に入れるだけで自分もストーリーの一部になれる。少々高くても、そんなパートナーを一生ものとして手に入れたいものですね。

小林孝延(こばやし・たかのぶ)
福井県出身。生活情報情報誌ESSE元編集長、現扶桑社第四編集局長。月刊『Outdoor』(山と渓谷社刊)編集長の後、アウトドア雑誌やムックを複数創刊。2003年に女性誌『天然生活』(地球丸刊)を創刊し「暮らし系」と言われるジャンルを生み出す。プロデュースした料理本『「ル・クルーゼ」だからおいしい料理』(平野由希子著、文庫版が扶桑社より9月下旬に発売予定)はグルマン・クックブック・アワードに入賞。料理ムック『とっておきシリーズ』は累計260万部を突破。2013年には日本最大のポータルサイト「レシピブログ」とコラボした雑誌『レシピブログマガジン』を立ち上げ話題に。フジテレビ「秘密の王子様」、テレビ朝日「お願いランキング」、関西テレビ「流行りんモンロー」など情報番組にもコメンテーターとして出演するほか、企業での講演のほか福井県立大学、京都精華大学等でも特別講義。

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/article/campanella/20141031/273245/

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