• はい
  • いいえ

アサヒビール トップ > ファン!アサヒ 
  • はい
  • いいえ

[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学II】「決断」と「決定」は大きく違う 第1章:リーダーに必要な素質とは?その1

文:田代真人 写真:石塚龍彦

02.04.2016

職場の悩みは酒場で解決できる。今宵も様々な職場から、仕事を終えたビジネスパーソンたちが集まってくる。悩む新米リーダーの32歳男性係長に、ベンチャー企業の社長は「決断」と「決定」の違いを説く。彼が語るリーダーの素質とは……?

保田(やすだ)幸一、32歳。大手総合電機メーカー・ソラー電機で法人営業を担当している。今日は、彼女の吉野優子とゼミの先輩・山内哲也と待ち合わせだ。待ち合わせの店は、銀座・有楽町の高速下のモールにオープンしたばかりの和食レストラン。吉野が予約してくれた。店に入るとすでに彼女と先輩はテーブルに着いていた。

「先輩お久しぶりです!」

「おー久しぶり! 元気そうだね」

山内は大学時代のラグビー体格のままだ。大きな身体は周りから見ても目立つ。

「はい! おかげさまで」そう言って保田は席に着いた。

「二人はよく会ってるの?」

山内は保田と吉野が大学時代から付き合っているのを知っている。

「それが私たちも会うの久しぶりなんですよ〜」

「仕事が忙しいのかな?」

「そうですねぇ」

保田の彼女、吉野優子は28歳。Web制作会社で制作と営業を務めている。3人はゼミでも気が合う仲だったこともあり、以来卒業してからも親しい。とはいってもほとんどはフェイスブック上でだが。

「保田くんはソラー電機でいまなにやっているの?」

「あっ、山内さん、名刺を差し上げます」

「おーいま課長なんだ」

「そうなんですよ。つい先月からなんですが」

「いよいよ部下を持ったんだねぇ」

「山内さん、それで保田くん、実は悩んでいて……」吉野が口を挟む。

「優子ちゃんに相談しているんだ」

「いえいえ私に相談されても困るんで、それで今日山内さんに訊いてみようってことになったんですよね」

「えーそうだったんだ。久しぶりに会おうってメールが来たかと思ったら……」

そう言って山内は笑った。山内は保田の2歳年上。5年前に大手電機メーカーを辞めて、自身で創業したアプリ制作会社の社長を務めている。社員は30名あまり。順調に業績を伸ばしている。

新任の上司がやるべきことは、実はシンプル

運ばれてきたビールでまずは乾杯だ。今夜の店は銀座にオープンしたばかりの店で、全国から海の幸、山の幸を集めた和洋折衷料理を得意とするらしい。入り口では色とりどりの野菜が出迎えてくれる。保田たちは3500円のコースに1580円の飲み放題を付けた。コースは話に熱中できるのがいい。

「かんぱーい!」

「それにしても山内さんもすごいですよね。あんな大企業をすぱっと辞めて起業するんだから。僕なんか初の課長でビビっているのに」

「部下は何人くらいいるの?」

「いま8名です。でも年上の人もいて、どうやって接すればいいのかと、そのあたりもけっこう難しくて……」

「自然でいいんだよ。ウチの会社なんて60前の人もいるよ。早期退職した技術者の方だけどね。今度デザイン家電を作ろうと思って来てもらったんだよ」

「へぇ、すごいですね。そんな年上の人に仕事をしてもらうのは大変じゃないですか?」

「いやいや、変な性格の人だと大変かもしれないけど、至極まっとうな方なので、まったく問題ないね。存分にいままでの知識とノウハウを発揮してもらってるよ」

「そうなんですね。僕なんか、どうやって接していいか、それだけで緊張します。僕より入社も早く、先輩なのに僕が上司になってしまったわけですから」

「たしかにそれじゃあ考えるよねぇ。僕の会社の場合は、僕が社長として雇ったわけだから保田くんの場合とは違うからね。でも、保田くんは会社に認められてリーダーに抜擢(ばってき)されたわけだから、なにもひるむことはないよ。やるべきことをやればいい」

「やるべきこと……ですか」

「そう。課としてのミッションが会社から与えられているでしょ。そのミッションを達成するためにやるべきことを抽出して、それらの仕事をメンバーに割り振るってことかな」

「ですよね……」

そう話しているあいだに前菜として運ばれてきたのは「おばんざいの盛り合わせ」。おばんざいとは京都では一般的なお総菜のことで、いろいろな種類が多数ある。今夜のおばんざいは、赤こんにゃくと白和(あ)え、かぼちゃのたいたんだ。「たいたん」とは“炊いたん”、つまり炊いたもの。京都では、いろいろな「たいたん」がある。普通の感覚では煮しめだと思っていいが、京都では微妙に違うらしい。

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/atclcmp/15/012800012/012800001/

すべては、お客様の「うまい」のために

お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
ほどよく、楽しく、いいお酒。のんだあとはリサイクル。