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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】オジサンが得意な「ガラケーで電話」はもう限界!? オジサンが得意な「ガラケーで電話」はもう限界!?

文:田代真人 写真:石塚龍彦

12.17.2015

「ガラケーで電話」はさすがにもう限界

「ccで来るメールってわけわかんないよね。メールが来すぎて、どう返信していいかわからなくなるしね」

あいたたたっ、大町は相当なアナログ人間だ。これで本当に営業ができているのだろうか……?

「ccってさ、まぁ、宛先に書かれている人以外は確認していればいいだけなんだけどさ。なかには大町宛てのccメールも来るんじゃないの?」

「そうなんだよね。それでこのあいだ、送信した人に電話したら怒られちゃってさ。『みんなメールでやり取りしているんだから電話で応えないでください』だって! 早く連絡しようと思って電話してあげたのにね」

「いやいや、大町さぁ、それマズイよ。だって、その返事はccで見ている人には伝わらないじゃない。それはルール違反だよ。日ごろメールを使い慣れている人は、電話よりむしろメールのほうがレスポンス早いこともあるからね」

「そのへんが面倒くさくてねぇ」

「ところで新しく来た上司から強要されたLINEはどうしたの?」

「いろいろ調べたらガラケーでもLINEってできるんだよね」

「えっ! そうなんだ。知らなかった。俺はiPhoneで普通にやってるけど」

「それがさ、やろうとしたんだけど、スマホと同じ機能じゃないみたいでさ。上司からは『メッセージを送ったら、すぐにみんなに伝わるのがLINEのいいところなのにおまえのじゃダメだ』なんて言われてね」

「で、どうしたの?」

「これ」

と、大町がポケットからスマホを出した。

「結局買ったんだね」

そういって僕が笑うと

「仕方ないよね。でもガラケーも持ってるよ。だから2台持ち。スマホは近所のスーパーで買った格安SIMってやつ? それにしたから料金は安いんだ」

「おーなんか一気にデジタル先駆者みたいになってない?」

「でもこうやってスマホを持つと便利なことに気付いたよ。だって、まずメールを外出先で見られるわけじゃない」

「それ、いま常識だから」

そう笑いながら僕はもやしやタマネギをジンギスカン鍋の縁に置いていく。そして中央には生ラム肉だ。ジンギスカンは、こうやって焼かれたラム肉からしたたり落ちる脂で野菜を焼く。こうすれば野菜も香ばしく食べられるのだ。

公私の区別がなくなるデジタル生活

「上司はさ、家族でLINEを使っているらしくて、同じように僕ら会社のグループを作って、仕事の用件を伝達するんだよね」

「そうそう。LINEってグループを作るんだよね。僕も家族とグループ作っているんだけどさ。高校生の子どもに聞くと、みんななにかしらグループを作ってメッセージのやり取りをしてるらしいね。だから自然と仲良しグループだったり、部活のグループだったり、なにかしらグループ名が付くんだって。おかしいよね。バンドじゃあるまいし、みんなにグループ名が付くなんてね」

「僕なんか『営業第2部』ですよ。LINEに『営業第2部』って……」

「それもなんだかなぁ。メールもそうだけど、なんか公私の区別がなくなっていくよね。個人で使うスマホも会社でも使うしねぇ。昔は電話番号が違うので、会社用の携帯電話と2台持ちって人も多かったけど、いまや電話もLINEでできちゃうしね」

「そうなんだよね。ウチの上司なんて、電話もLINE電話。まぁ、あまりかかってこないんだけどね。自分が出したメッセージに“既読”マークが付かないと、イライラしてかけてくるんだよ」

「なんか仕事でLINEはやっぱり違和感あるなぁ。僕は基本的に仕事でLINEは使わないようにしているんだけどね。ただ、最近は、仕事で会った人からも『田代さんLINEやってますか?』って聞かれるんだよ。で、やってないって嘘つくのも嫌なんでIDを教えざるをえないんだよねぇ」

LINEの話でアナログ人間の大町とここまで盛り上がるのもおもしろい。徹底的なアナログ人間が、LINEひとつで最先端の話に仲間入りだ。たしかにLINEの普及はすさまじいものがある。

僕は大学の講義で毎年アンケートを採っているが、学生が利用しているソーシャルメディアサービスは確実に毎年変化している。そのなかでここ数年、存在感を増したのがLINEだ。4年前にサービスを開始したLINEは、その翌年から利用する学生が出始め、毎年、その勢いは増している。

そして、今年は、いよいよ70名を超える学生すべてがアカウントを持っているという状況になった。そして驚くことに普段利用している連絡方法が、パソコンメールや携帯のメール、ショートメールは一人も利用者がなく、100%LINEだったこと。まだ20歳前後なので友人中心の交友関係なんだろうが、時代の移り変わりを目の当たりにしてしまう。

ジンギスカンの良しあしは、肉のうまさもさることながら、その店独特のタレにあると言う。この店のタレは、また格別に旨い。僕らはラム肉を堪能しつつ、また、話は続く。

《大町編・続く》

田代 真人(たしろ・まさと)
編集者・ジャーナリスト。株式会社メディア・ナレッジ、株式会社マイ・カウンセラー代表。(社)日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。駒沢女子大学、桜美林大学非常勤講師。
1986年九州大学機械工学科卒業。その後、朝日新聞社、学習研究社、ダイヤモンド社と活躍の場を変え、ファッション女性誌からビジネス誌まで幅広く取材・編集。2007年メディアプロデュースを専業とする株式会社メディア・ナレッジを創業。同時に株式会社マイ・カウンセラーの代表就任。著書に『電子書籍元年』(インプレスジャパン)、構成作品に『もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら』(日経BP社)がある。
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こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/atclcmp/15/272043/121100012/

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