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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】オジサンが得意な「ガラケーで電話」はもう限界!? オジサンが得意な「ガラケーで電話」はもう限界!?

文:田代真人 写真:石塚龍彦

12.17.2015

職場の問題は酒場で解決できると信じるコンサルタント・田代真人氏。今回の相談相手は、印刷会社で働く営業マン。電話でなんとか済ませてきたが、上司の指示でLINEに登録させられて…。

あらゆる問題は酒場で解決できる。30年以上のビジネス生活で得た実感だ。別に酒に強いわけでもない。ただ酒場のあの雰囲気は人を楽観的にする。一人で飲んでもいいが、二人酒もまたいい。

僕の仕事はコンサルティング。ありがたいことに営業することなく、さまざまな業種からお仕事の依頼をいただく。しかし悩みの種は、というほどの悩みでもないが、産業カウンセラーの資格を持っているので、経営者や部課長はもとより新入社員からも相談されることが多い。実は本業よりもこちらに取られる時間が多いのだ。

僕はデスクワークをしているとき、iPhoneを充電しながら机の隅に立てかけている。iPhoneのロック画面には、ときおりLINEやFacebookのメッセージアプリである「Messenger」がメッセージの着信を知らせてくれる。

パソコンではメールアプリを終始起動している。メールは常に見ているわけでもない。メールアプリも設定すれば着信を即座に通知してくれるが、思考が中断されるので設定はしていない。もちろんときどきは着信を確認するが、親しい友人の場合、主にMessengerで連絡が来る。仕事関係の人は、ほとんどがメールでのやり取りだ。

今夜会う大町隆も1週間ほど前にメールで連絡をくれた。彼は僕の地元、福岡に住んでいるのだが、出張で上京するという。中学のときの同級生だ。いまは大手の印刷会社の福岡支店で営業をしている。以前会ったのは5年ほど前だから、久しぶりだ。

デジタル化で仕事の様相がまるで変わった

「おー大町、元気だった?」

待ち合わせ場所の上野駅に現れた大町は、相変わらずの人なつっこい笑顔を見せる。ほっそりとした身体に営業マンらしく仕立ての良さそうな紺のスーツを着こなしている。

「うん。おかげさまで。このあたりに取引先があるんだけど、飲んだことはないんだよね。田代は上野にはよく来ると言ってたので、今日の店は任せるよ」

「いいよ。近くにうまいジンギスカンの店があるからそこに行こう」

僕たちはアメ横を抜けて、近くにあるジンギスカンの店に向かった。予約を取ろうとしたのだがいっぱいで予約は取れなかった。だが、直接来れば入れるかもしれないと店の人に聞いて直撃することにしていた。

店に着くとたしかに店は客でいっぱいだったが、二人ならなんとか入れるとのこと。あきらめないで直撃して正解だ。席に着いた僕は、まずはハイボールを頼む。大町はビールだと思ったが、彼もハイボールだと言う。

「ビールは好きなんだけど、すぐにおなかがいっぱいになるんだよね。だからとりあえず1杯目にビールは頼まないようにしてるんだよね。あとから頼むかもしれないけどね」

「1杯目だけはビールっていうのが普通だと思うけどね。まぁとりあえず乾杯! ところで最近仕事はどう?」

「まぁ、景気は悪いよね。これだけデジタル機器が広まってしまうと必然的に紙は少なくなっていくじゃない。昔、90年代の後半、IT(情報技術)が普及すると紙はなくなるって言っていたけど、ぜんぜん減らずに、むしろプリンタ用紙なんかは増えていったんだけど、ここ最近は本当に紙がなくなっているよね」

「たしかにね。以前に比べて、タブレットはあるし、スマホも大画面化していって、電子書籍もそれなりに広まっているしね。雑誌もドコモがやってる『dマガジン』で読めちゃうから紙の雑誌も買わない人が多くなっているらしいよ」

「そうなんだよ。だから僕ら印刷業界は真っ先にその影響が及んでいて、もう売り上げの下降は止まらない感じだね」

「営業も大変でしょ?」

「だね。スマホの影響は業績にも及んでいるんだけど、仕事のスタイルもスマホが普及したんで変わっていってるんだ」

「どういうこと?」

「このあいだ僕の上司が異動してきたんだけどね。彼は、50代半ばなんだけど『これからはLINEだー』と言って、僕ら管理職も含めて、LINEに登録させられたんだよね」

「へぇ〜先進的じゃん!」

「いやいや、実は僕は基本的に電話で営業するタイプなんで、いまだにガラケーだったんだよ。別にスマホも必要なかったし」

「えぇッ! そっちのほうがめずらしいよね。外出先でメールとか見なくていいの?」

「取引先からは嫌みを言われてもいたんだけどね。メールも会社で見ればいいやと割り切ってたんだよ」

「それって印刷業界ではマズくない? だっていまや入稿やデザインのやり取りもすべてメール経由でしょ?」

「それでもなんとかやってこられたんだよね。電話だとすぐに相手と意志の疎通ができるから便利だし」

「もしかしてメールの返事を電話でしたりする?」

「うん。そっちのが速いじゃん。文字打つより速いよ」

「え〜。メールでccとか来るでしょ? どうしてんの?」

目の前に煮込みが運ばれてきた。口にすると独特の香りと味。メニューを見ると『ラム肉の岩塩煮込み』とある。さすがジンギスカンの店だ。煮込みも当然ながら羊肉である。しかしこれはこれで旨い。お酒が進む一品だ。僕らは面倒くさいこともあって『7品のお試しコース』を注文している。

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/atclcmp/15/272043/121100012/

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