• はい
  • いいえ

アサヒビール トップ > ファン!アサヒ 
  • はい
  • いいえ

[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】就活の“異常性”が見せるコミュニケーション問題 入社希望者をグーグル検索、社員が就活生に“友達申請”…就活が象徴する新しいコミュニケーションの実態は?

文:田代真人 写真:石塚龍彦

09.24.2015

職場の問題は酒場で解決できると信じるコンサルタント・田代真人氏。今回は大学の教え子から受けた相談。インターネットの発達により、就職活動は極めて複雑なものになりつつあるようだ。田代氏が説くコミュニケーションの本質とは……?

あらゆる問題は酒場で解決できる。30年以上のビジネス生活で得た実感だ。別に酒に強いわけでもない。ただ酒場のあの雰囲気は人を楽観的にする。一人で飲んでもいいが、二人酒もまたいい。

僕の仕事はコンサルティング。ありがたいことに営業することなく、さまざまな業種からお仕事の依頼をいただく。しかし悩みの種は、というほどの悩みでもないが、産業カウンセラーの資格を持っているので、経営者や部課長はもとより新入社員からも相談されることが多い。実は本業よりもこちらに取られる時間が多いのだ。

今日は、直球の相談ごとだ。僕はある大学で非常勤講師を務めているのだが、大学の教え子である4年生の黒木純子が相談があるという。学生からの相談は基本的に学内で受けるのだが、以前から「呑みに連れて行ってください」と言われていたので、今回は渋谷で呑むことにしたのだ。

もちろん、ハタチを超えているとはいえ教え子であるからには、二人で呑むわけにはいかない。同じ大学で同僚の教授・米田利彦を誘った。日ごろから米田とはよく呑んでいるので気心の知れた間柄だ。

今日のお店は、最近オープンしたばかりのアートな空間でライブ演奏を聴きながら飲食ができるというライブカフェ&バーだ。もともと経営者が古くからの友人で、開店の案内をもらっていたので近いうちに訪れる予定だった店だ。

席数は300名以上とそうとうに大きな空間。店内は、テラスやパティオ、リビングなど6つのエリアにわかれていて、それぞれに趣向を凝らしている。僕らはダイニングというエリアで、食事とお酒を楽しむことにした。

就活学生の素朴な疑問、「コミュ力ってどこでわかるんですかね?」

「黒木さんは就活はどんな感じなの?」と僕が訊く。

「黒木はもう内定取ってるんだよね」と横から米田が応える。

「そうなんだ。どんな会社?」と僕は黒木に話しかける。

「地元でタウン誌を作っている会社です」

「地元ってどこ?」

「群馬です。でも本当は東京で働きたいんですよね。だから、実はまだ就活中で」

「そっか。でも内定取っているんなら安心だね」

「内定は取りましたが、正直言って、ほとんど行く気はないんですよ。それでいまだにエントリーシート出して、うまくいけば面接して、の繰り返しです。そこで、思うんですが、企業はよくコミュ力の高い人を採用するっていうじゃないですか。それってどこでわかるんですかね?」

「話せばわかりますよねぇ」と米田。

「米田先生からは発表などでけっこう指導していただいたので、大学に入学したころに比べてずいぶん話すことができるようにはなったんです」

「シンプルに考えると、コミュニケーション能力っていうのは、伝えたいことを伝えることと相手の言っていることを理解する能力ってことになるんだけどね」

「話がうまいってことなんでしょうか?」

「それだけじゃないよね。就活ではエントリーシート書くじゃない。それも重要なわけ。しかも最近の人事担当者は、新卒、既卒にかかわらず、入社希望者をググるらしいからね。そこからフェイスブックやツイッターに行き着いて過去の発言を読んだりするそうだよ」

「まぁ考えてみれば、グーグル検索するのは当たり前かもね。僕も大学で人を採用するときなんか、検索するもんなぁ」

「米田さんもそうでしょ。だからこれは大学生だけの問題じゃないんだよね。これからの社会ではだれだって少なからず転職せざるをえない場合もあるからね」

そんな話のなか、最初に運ばれたのはコブサラダとクラムチャウダーだ。ちなみにコブとは人の名前。ハリウッドのレストランオーナーのコブさんが創り出したサラダがいまでは全世界に広まったそうだ。

「米田先生はエントリーシートの書き方の指導にも定評があって学生に人気なんですよ」

「へぇ。そうなんだね。エントリーシートは自分を伝えるためのものだから、これがうまくなきゃ、結局、社会人になっても企画書ひとつ書けないってことになる。

紙で伝えられることがコミュニケーションの第一歩だよね。その紙を見て、読んで、初めて『これを書いた人に直接会って話を聞きたいな』と思うわけだし。

会社にかかってくる電話でも、ほとんどの場合、電話で話す時間がもったいないので『じゃ企画書か提案書をメールで送ってください』って言って、電話を切るからねぇ」

「言われてみるとその通りですね。私の場合、米田先生にエントリーシートをチェックしてもらっているので、書類審査に通ることは比較的多いほうだと思います」

「じゃ、面接で落ちるってこと?」

「そうですねぇ」

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/atclcmp/15/272043/091400006/

すべては、お客様の「うまい」のために

お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
ほどよく、楽しく、いいお酒。のんだあとはリサイクル。