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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】相談者は、うつ病になり欠勤しているメンバーを抱えた社員2人 職場と新人の相性、実は重要な「体育会系かそうでないか」という観点

文:田代真人 写真:石塚龍彦

04.23.2015

職場の問題は酒場で解決できると信じるコンサルタント・田代真人氏。相談者は、うつ病になり欠勤しているメンバーを抱えた社員2人。何が原因だったのか?再発防止の策は?田代氏は意外な観点を明かす。

あらゆる問題は酒場で解決できる。30年以上のビジネス生活で得た実感だ。別に酒に強いわけでもない。ただ酒場のあの雰囲気は人を楽観的にする。一人で飲んでもいいが、二人酒もまたいい。

僕の仕事はコンサルティング。ありがたいことに営業することなく、さまざまな業種からお仕事の依頼をいただく。しかし悩みの種は、というほどの悩みでもないが、産業カウンセラーの資格を持っているので、経営者や部課長はもとより新入社員からも相談されることが多い。実は本業よりもこちらに取られる時間が多いのだ。

さて、前回からの続き。渋谷の沖縄料理店でグラスを傾けつつ、雑貨店チェーンに務める吉川良介との再会を楽しもうと思っていた僕だが、どうも彼の職場で問題が起こっているようだ。いっしょに来た部下の舘野由美子も思い詰めたように話をしている。

後輩の「うつ病宣言」に戸惑う先輩社員

彼女の後輩が無断欠勤して2週間。その後来たメールによると精神科に通っているらしく、しばらく会社を休ませてほしいとのことだ。それに衝撃を受けているのが舘野。先輩として指導してきた後輩の突然のうつ病宣言に戸惑いを隠せない。

僕は、追加で注文した泡盛のシークヮーサーソーダ割りを飲みながら舘野に話す。僕は沖縄料理のお店に来ると必ず泡盛のソーダ割りにシークワーサーを搾ったサワーを注文する。大分名産のカボスも旨いが、同じ柑橘類でもシークワーサーの酸味と苦みはとくに泡盛に合う。

「舘野さんはテニス部だったんだ。体育会系なんだね。じゃあ、先輩後輩の関係がけっこう大変だったんじゃない?」

「そうですねぇ。女子大だったのでテニス部はインカレの“なんちゃってテニス部”というのもあったのですが、高校からテニスをやっていたので、体育会系のテニス部に入りました」

「インカレのほうがほかの大学の男の子とも友達になれるし、よかったんじゃないの?」

「まぁ、そうかもしれませんが、ちゃんとテニスをやりたかったので」

「高校生のときから体育会系だと、大学でテニス部に入っても上下関係に戸惑いはなかったでしょ?」

「はい。ただ、それまで最上級生として後輩に指導してきたのが、大学に入るといきなり最下級生です。1年間で慣れきった先輩風を吹かせる状態から一気に下っ端ですから、リセットするのが大変でした」

「でも大学を卒業して社会に出たら、また繰り返しだったでしょ?」

「そうなんですよ。でも私の場合、上司と部下という関係でしたし、上司も優しかったですから」

そう言って舘野は吉川のほうを笑いながら見る。吉川は角煮を頬張っている。「柔らか角煮レタス添え」はここの名物だ。沖縄では豚肉を泡盛などで柔らかく煮た料理が有名なのだが、この店のものはとくに柔らかく脂身さえも甘く美味しい。僕もこの角煮をつまみながら舘野に話しかける。

「最近でも理系文系といまだに分けたがる人がいるよね。まぁ、たしかに理系と文系の考え方なんかは違うと思うけど、それ以上に採用する会社として考えなきゃいけないことは、実は体育会系かそうじゃないかの違いなんだよね」

「どういうことですか?」

角煮を飲み込んだ吉川が反応する。

体育会系の組織は、問答無用に体育会系のノリを強いてしまう

「だれでも新入社員のときはおとなしいものだよね。でも徐々に様子を見ながら自己主張をしていく。

片や、新入社員の教育を任された先輩は気合いが入るわけだ。そのとき“素”の自分が出てしまうことが多いんだよ」

「素の自分?」

「そう。体育会系だったら、厳格な上下関係が身に付いているからね。それを急に変えられないわけ。だから、体育会系ではない新人に知らず知らずに体育会系のノリを強いてしまう」

「えっ! 私、後輩に対してはよかれと思って教えていたんですが……やっぱり私のせいで彼女がうつに」

「いや、舘野さんは自分を責めることはないよ。それはそれで対応しなきゃいけないのが社会というものだし、会社というもの。それに対応できない人にたまたま当たっただけだから。

だから自分を責めちゃいけません。むしろ会社がそこまでわかったうえでケアすべきことなんだよね。吉川さん!」

「えっ!」

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/article/campanella/20150416/280058/

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