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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】「人の運には限りがある」と語る経営者の話 運とは?成功とは?運をめぐって真剣に議論する宴

文:田代真人 写真:石塚龍彦

03.12.2015

職場の問題は酒場で解決できると信じるコンサルタント・田代真人氏。相談者は昇進したての30代社員。運をマジメに議論するという予想外の展開に至った昇進祝いの飲み会。成功と運の関係とは?

あらゆる問題は酒場で解決できる。30年以上のビジネス生活で得た実感だ。別に酒に強いわけでもない。ただ酒場のあの雰囲気は人を楽観的にする。一人で飲んでもいいが、二人酒もまたいい。

僕の仕事はコンサルティング。ありがたいことに営業することなく、さまざまな業種からお仕事の依頼をいただく。しかし悩みの種は、というほどの悩みでもないが、産業カウンセラーの資格を持っているので、経営者や部課長はもとより新入社員からも相談されることが多い。実は本業よりもこちらに取られる時間が多いのだ。

さて、前回からの続き。ホテル会社で課長に昇進した高井賢二のお祝いの宴において、全く予想外に始まった運についての話である。

せっかくのお祝いの席なのに、高井は「自分は運がない」と悲観的だ。

でも、運とはなんだろうか? みんなが思うように、本当にコントロールできないものなのだろうか? 僕がいままで会ってきた成功した経営者は、みな異口同音に「運が良かった」と言う。

しかし、成功とはなんだろうか。一般的に考えると、成功した経営者とは、経営している会社が上場するか業績が良く、お金の心配がなく、公私ともに充実しているように見える経営者と言えようか。あくまで「見える」だけで本当に公私とも充実しているかどうかはわからないが……。

運がいいと何が得られるのか?

シャンパンは一次発酵ののち瓶内で二次発酵させるが、その際に加える糖分の量で甘さが決まる。僕はBrut(ブリュット)以上の辛口が好み。なかには全く糖分を加えず、ブドウ本来の味が楽しめるBrut Nature(ブリュット・ナチュール)という超辛口もあるが、どの店にも置いてあるわけではない。まあ、あったとしても通常とても高額なので、おいそれとは頼めない。

僕はBrutのシャンパンが注がれたグラスに口をつけ、ひと口すすって高井に訊いてみた。

「運がいいとなにが起こるんだろうか? なにを得られるのかな? 僕たちは」

「そうですねぇ。幸せな生活が送れるということですかね」

「幸せな生活。お金に不自由しないことや充実した仕事かな?」

「そうですね。僕にとっては家族もほしいですね」

「まだ独身だった?」

「そうなんです。こればっかりは運がありますし……」

「運であり縁だねぇ。

ところで幸せな生活って、成功すれば必ず手に入れられるものなのだろうか?」

「成功ってなんですかね?」

唐突だが、経営者にとっての成功と、会社員や、例えばフリーとして働くライターやエンジニアにとっての成功は異なるものだろう。経営者にとっての成功は前述したように、まずは会社の業績がよくなること。人によっては上場を一つの目標にして経営している。一方、個人で仕事をしている人にとっての成功は、また違ってくるはずだ。

「なんだと思う? 人によってはお金はそんなに必要ないと言う人もいるよね。そんな人にとっては、好きな人や家族がいて、みんな健康であればそれでいいと言う」

「僕はそれにはある程度のお金も必要だと思っていますけどね。子どもができれば教育費もかかるだろうし。だから仕事を充実させたいんです」

「じゃあ、君にとっては、ある程度稼げる仕事じゃなきゃいけないってことだね。

ある経営者が言っていたんだけど、新卒でも既卒でも面接の最後に必ず訊くことがあるんだそうだ。最終面接のときのこと、覚えてる?」

「覚えていませんねぇ。そもそも最終面接までいったのは、いまのホテルくらいでしたから」

そう笑う高井。テーブルにはステーキが運ばれてくる。フランス料理店にしては、フレンチフライが付いたとてもアメリカンな見た目だ。グラスにはシャンパンが残っているのに追加で赤ワインを頼む。肉だから赤ワインとは限らない、とグルメ雑誌にはよく書いてあるが、僕は条件反射的に、美味しそうな肉を見ると赤ワインが欲しくなる。むしろ赤ワインがないと肉は食べたくないほどだ。

口にほおばると、見た目のアメリカン・ステーキとは異なり、柔らかなフレンチの食感。しっかりとかむ必要はない。口の中で柔らかに溶け、赤ワインとともに胃の中に入っていく。

「僕が知っている多くの経営者は、最終面接ではほとんどやることがないと言うんだ。部下が選んだ最終通過者の雰囲気を見るにすぎないそうだ。

ある経営者は、最後の質問として『君は自分のことを運がいいと思うか?』と訊くそうだよ」

「さっき田代さんが僕に訊いたことですね」

「そう。それで『運が悪い』と答えると最終面接であっても落とすそうなんだ。2人のうち1人しか採用できないときは、確実に運がいいと答えた方を採用するとね。で、一度、両方とも運がいいと答えたときはどうするのかを訊いたことがあるんだ」

「そういうときは両方採用するんですか?」

「いやいや、会社にも採用計画があるから2人とも、ってわけじゃないんだよね。やはり採用は1人なんだけど、その運の良さを見極めるそうなんだ」

「どっちがより運がいいかを見極めるんですか。であれば、運の良かったエピソードを訊いて、どっちの方が運がいいか? たとえば、宝くじに当たったとして、100万円当たった人より1000万円当たった人が採用されるってことですか?」

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/article/campanella/20150306/278343/

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