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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】「成功している経営者は『自分は運がいい』と言う」 多くの人が考えない「運」、深く考えれば仕事の進め方も変わるかも……

文:田代真人 写真:石塚龍彦

02.26.2015

職場の問題は酒場で解決できると信じるコンサルタント・田代真人氏。相談者は昇進したての30代社員。昇進祝いから始まった宴の話題は、予想外の「運」へと移っていく。田代氏が説く運の本質とは……?

あらゆる問題は酒場で解決できる。30年以上のビジネス生活で得た実感だ。酒場のあの雰囲気は、人を楽観的にする。だから解決策が見えてくる。一人で飲んでもいいが、二人酒もまたいい。

僕の仕事はコンサルティング。ありがたいことに営業することなく、さまざまな業種からお仕事の依頼をいただく。しかし悩みの種は(というほどの悩みでもないが)、産業カウンセラーの資格を持っているためなのか、経営者や部課長はもとより新入社員から数々の相談を受けること。実は、本業よりもこちらに取られる時間のほうが多いのだ。さて、今日の相談は……?

「自分は運が悪い」と思っていると……

今夜は、ホテル会社に勤務している高井賢二と久しぶりに呑むことになった。リーダーから課長に昇進したということで、そのお祝いなのだ。

高井は今年32歳。僕は以前彼が勤務するホテル会社をコンサルしており、彼とはその時からの縁である。

そのホテルは女性従業員が多く、また辞めていく人も多いので、大卒の男性は20代後半で地域リーダーになる。リーダーはその地区にある複数のホテルを束ねて面倒をみる。

地域リーダーの仕事の幅は広い。各店舗の収益管理はもとより、日々起こるいろいろな問題への対処、従業員教育から支配人の悩み相談まで、とにかく忙しい。

そんな彼が、今度はリーダーたちを束ねる課長へと昇格したのだ。彼から一報をもらった僕は、とにかくお祝いをするべく時間を空けた。

待ち合わせは銀座のとある場所。朝の天気予報では、夜になると急に温度が下がり寒くなるのでコートなどで調整するようにと促していた。

人通りの多い銀座の街は都内とはいえ肌寒い。コートの襟を立てて、待ち合わせ場所のデパートに行くと、高井はその入り口に一足先に待っていた。

「久しぶり!」

「ご無沙汰してます、田代さん」

「今日は予約取ってないけど、近くに新しくできた店があるから、そこに行こう。中華料理は大丈夫だよね?」

「はい、大丈夫です」

僕たちは中央通りを北へと歩き始めた。間もなく数カ月前にオープンしたばかりの商業ビルに着いた。お目当ては台湾の小籠包店。東京都心でいくつか出店しており、なかなかの味という評判だ。

と、そのとき入り口で、「いまなら並ばずには入れますよ」というかけ声。

聞くと、評判の高い立ち飲みフランス料理店が地下1階にできている。いつもは行列ができていて、数時間は並ばないと入れない。高井もこの店の評判は聞いているが入ったことがないらしい。それならばと方針転換。僕らは地下へと向かった。

店内に入るとジャズ・ミュージックが聴こえる。奥をみるとステージで生演奏中だった。

そして僕らが店員に導かれて通されたのは、ステージ正面から5mほどのテーブル。僕たちの席のすぐ前からステージまでは、カップル席と呼んだほうがいいのか、2人が横に並ぶ席だ。女性2人なら抵抗ないだろうが、男性、いや、オヤジ2人では座りたくない席。それに比べ、ステージを横目にテーブルを挟んで向き合うこの席は、まさに特等席だ。

「なんかすごい席に通されましたね」

「だね。普段は並ばないと入れないというのに、どうしたんだろうね」

ほどなくフロアスタッフの女性が飲み物の注文を取りに来る。

「今日すいていますよね。いつもそうなんですか」僕が尋ねる。

「いえ、今日はなぜかすいています。スタッフみんなで、どうしてなんだろうね? と首をひねっているんです。キャンセルも多いですし」

「そうなんですね。だからこんな席もすいていたんですね」

「えっ! お客さん、予約したんじゃないんですか?」

「してませんよ。ビルの前を通ったら、すぐに入れるとスタッフの方に言われたので来たんです」

「すごいですね。この席は、とくに人気が高いんです。横に並んで座らなくてもいいですし、まっすぐステージを見るわけでもないので。予約で一番先に埋まる席なんです」

「そうなんですか! じゃ僕ら、運がいいんですねぇ」

「絶対そう思います!」

そんな会話の後、僕たちはおすすめのシャンパンとサラダ、そしてオマール海老を使った料理を注文した。

「そっか。運がいいんだねぇ。たしかにただでさえ行列必至の店で、こんなに良い席に座れるんだからね」

「田代さんは運がいいほうなんですか?」

「えっ、まぁ、いいほうかな。高井さんは悪いの?」

「あまり良くないほうで」

「そうなんだ。でも今回昇進したじゃない」

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/article/campanella/20150219/277727/

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