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[カンパネラ]ビジネスパーソンにひらめきの鐘を

カンパネラとは

ビジネス書では語られない「職場人間学」

【職場人間学】現在と未来を読み解く手軽で確実な方法とは? 若手社員よ注目! 新聞の日曜版には社会経済の近未来が詰まっている

文:田代真人 写真:石塚龍彦

02.12.2015

職場の問題は酒場で解決できると信じるコンサルタント・田代真人氏。相談者は入社2年目の若手社員。「戦略的に働こう」と説く田代氏は、ある方法を提案する。その方法とは……?

あらゆる問題は酒場で解決できる。30年以上のビジネス生活で得た実感だ。別に酒に強いわけでもない。ただ酒場のあの雰囲気は人を楽観的にする。一人で飲んでもいいが、二人酒もまたいい。

僕の仕事はコンサルティング。ありがたいことに営業することなく、さまざまな業種からお仕事の依頼をいただく。しかし悩みの種は、というほどの悩みでもないが、産業カウンセラーの資格を持っているので、経営者や部課長はもとより新入社員からも相談されることが多い。実は本業よりもこちらに取られる時間が多いのだ。

さて、前回からの続き。僕のクライアントである薬品商社の新年会だが、妙なことに単に新年を祝うというよりも、若いスタッフのための人生相談の場になってしまった。しかも話は尽きず、彼らは場所を変えようと言う。

資産はやはり知識とスキル

新年会の店を出て、ビルの1階に下りていく。参加者は20人程度だが、蜘蛛(くも)の子を散らすように部員はいなくなり、ビルの前には、数人の塊が残るのみだ。部長と副部長は僕に会釈をして、先にどこかに行ってしまった。きっとそのまま帰るのだろう。

「田代さん、こっちですよ」と奥野が僕を呼ぶ。

それにしても、いま一つ盛り上がらない飲み会だった。聞くと、例年こんな感じで体育会系の飲み会のように盛り上がって騒ぐというより、単に集まって呑むだけだとか。それでも集まらないよりはいいと、毎回部長が幹事を決めて指名しているそうだ。

僕たちは近くにあるカジュアルなバーに入った。スタンディングとテーブル席に分かれたブリティッシュ・バーだ。だが、新年会の時機なのに客は少なかった。

時間は21時前。まだ盛り上がっていてもいい時間だ。場所柄学生の利用も多そうだが、お金のない学生のことだから2次会はそもそもないのか。

僕たちは小さな2人掛けのテーブルをくっつけて4人で座った。

「田代さん、なに呑みます?」廣田が気を利かせる。

「取り合えず生でいいや。喉渇いたから」

そう言って、5000円札をテーブルに置いた。

「みんなもなにかどうぞ」

この店はキャッシュ・オン・デリバリー。人生の先輩としては見栄を張る場面でもある……。

「ありがとうございます!」

「さっき、やりたいことがわからないときはお金を貯めるということでしたが、僕は貯金する余裕がなくて、恥ずかしながら1円もないというのが現状です」と奥野。

「僕は月に1万円は天引き貯蓄をしているのでわずかですがありますよ。別に目的もなくなんとなく始めただけですが……」

「林くんは手堅いね。それでいいんじゃないかな。いまはとりあえず。ただ、なんだか日本経済を見ていると、日本円だけで貯金するのがこわくなるね」

「というと?」

「円も安くなってるし、国の借金も優に1000兆円を超えてるしね。ドルなど外貨貯金や金を買うなどして分散して貯める時代かもしれない。とにかくそういうマネーの知識も今後は必要になってくるってわけだね」

廣田が4人分の生ビールを抱えて帰ってきた。それにしてもさんざん前の店でビールを呑んだのに、またしてもビールを呑むというのがわからない。お酒はいろいろな種類を呑むチャンポンは悪酔いすると言うが、素直にそれを実行しているとも思わない。まぁ、いろんなものを呑みまくる大酒飲みでないのは、おごるほうにとっては悪くない。

「かんぱい!」

「さっきの貯金の話ですが、このままインフレが進んでハイパーインフレになるっていう経済評論家もいますよね?」

「そうだねぇ。まぁそうなれば住宅ローン抱えた人はいいかもしれないけど、現金を持っている人は大変なことになるね。日本の住宅が資産と言えるかどうかはわからないけどね。

でも、だからこそ必要なのは知識だったり、手に職を付けるってことだったりするんだよね」

「それにしても英語はわかるけど、税理士っていうのもいま一つハードルが高いことには変わりないですよ」

「廣田くんはなに学部だったの?」

「僕は林さんと同じで社会学部だったんです。とはいっても、もっぱら遊びとバイトで社会を勉強していたクチですが」そう言って苦笑する廣田。つられて僕たちも笑う。

「君たちは新聞は読んでる?」

こちらのコンテンツは日経BP社とアサヒビールの共同運営メディア「カンパネラ」より転載しております。

転載元URL:http://business.nikkeibp.co.jp/article/campanella/20150205/277171/

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