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国・産地

フランスワインを極める1

ワインの代表的産出国といって、だれもがいちばん最初にその名をあげるのがフランス。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュの三大銘醸地をはじめ、全土に広がる数々の有名産地を擁するワイン大国です。ぶどう栽培面積は約85万8000haでスペインに次いで第2位ですが、ワインの年間生産量は約4567万hlを超え堂々の1位です。もちろんそれは量だけのことではなく、品質面においても世界最高水準として認められ、常にトップの座に位置しています。

北緯42〜51度、日本の北海道からサハリンあたりの寒冷地に位置する国ですが、地中海や北西部からの暖流の影響で全体的には比較的温暖な気候に恵まれています。そして、それぞれの生産地域が土壌や気候に適したぶどう品種を栽培しているため、各地域のワインには個性豊かな特徴が現れているのです。

フランスでワイン造りが始まったのは紀元前600年ごろ。ガリアと呼ばれたフランス・マルセイユ地方に移動したギリシア人により始められました。その後、あのシーザーが率いるローマ軍の侵攻によって、ワイン造りはローヌ川沿岸からフランス各地に広まっていったのです。2〜3世紀には、ブルゴーニュ、ボルドー、モーゼル、ロワール、シャンパーニュへとぶどう栽培が広まっていったといいます。その後、ワインはキリスト教との結びつきを深め、修道院でのワイン造りが盛んになって、ますます人々に親しまれるようになりました。
長い歴史のなかでは、時代に応じ、そのときどきで好まれる銘柄や産地がありました。
たとえば、14から16世紀のルネサンス時代にはパリでロワールのロゼワインが人気を博し、17世紀のルイ14世時代にはブルゴーニュのワインが、そして18世紀中ごろのルイ15世時代にはボルドーやシャンパーニュのワインに人気が集まりました。
また、ワインとその産地を取り巻くさまざまなドラマもありました。10世紀には、アキテーヌの公女が英国王ヘンリー2世のもとへと嫁いだことから、ボルドーが英国領となりましたが、逆に王の庇護によってワインの輸出を盛んにしたのです。それは、100年戦争でのフランスの勝利まで300年間続き、これが現在の一大産地としての礎になっていると言えるかもしれません。
1855年には、パリ万博に向けて、ボルドー・メドック地区を中心にワインの格付けが行われるまでになりました。しかし、これからというそのときに、害虫・フィロキセラの壊滅的な被害を被ることになってしまいます。それは第一次世界大戦後まで影響を及ぼしますが、害虫に強いアメリカ種の台木にヨーロッパ種を接ぎ木するという技術改良によって、ぶどう畑は息を吹き返しました。その後は、この逆境を吹き飛ばすように、生産量を飛躍的にのばしていったのです。
いまでこそ、揺るぎないワイン王国として君臨しているフランスですが、その歴史を紐解くと、思いがけないドラマを垣間見ることができます。だからこそなのでしょうか、その品質を守り、高めていく姿勢には並々ならぬものが感じられます。1935年に原産地呼称国立研究所(INAO)を設立、原産地統制名称(AOC)法を制定して以来、多様で高品質なワインを造り続けるための努力はいまも続いています。

ワイン用語集

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