
紀元前〜5世紀
●エールビールの前身は 蜂蜜酒の代用品
6世紀〜14世紀
●エールハウスとエールワイフ
15世紀〜19世紀
●ホップの普及とポーター、 スタウトの登場
20世紀
●古典的エールを守る 〜市民組織「CAMRA」〜
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紀元前からイギリスにあった伝統的なビール「エール」。ビール酵母の発酵が20度前後の常温で行われるため、ここ200〜300年前までの主流を占めていたビールですが、ピルスナーの誕生や、冷凍技術の発達などにより、酸敗の危険の少ない「ラガー」にその座が追われ、現在日本を含め世界のビールはラガータイプが主流となっています。
それでも本場イギリスでの市場占有率の50%近くはエールであり、第2次世界大戦後、エールを作る醸造所の合併などが相次ぎ、大企業による寡占が顕著になってきます。
1980年代にはビッグ・シックスと呼ばれる6つの大メーカー(バス、アライド、ウィットブレッド、カレッジ、スコティッシュ、・アンド・ニューキャッスル、ギネス)が市場のほとんどを占有します。ビッグ・シックスは大企業の戦略としてパブと専売契約を結び、効率的な最新の設備、最新の技術を用いて生産の効率化、商品の絞込みを図って大量生産を推進しました。このため小ロットで生産される特殊なビールは生産中止に追い込まれ、大企業傘下のパブは古典的なエールを排除し、近代的なエールに切り替えていきます。この趨勢の中、古典的なエールを愛する人たちは「酵母濾過や熱処理をした画一的なエールしか味わえなくなってしまう」と感じて多いに危惧したのです。
そんな状況から1971年、4人のジャーナリストによって「古典的エールを守ろう」というスローガンのもとに結成された組織が「CAMRA(キャンペーン・フォー・リアル・エール)」です。これは、リアルエール(熱処理をしない伝統的な樽熟成のエール)をパブで飲もう、という運動です。彼らの主張は「大工場で醸造するビールは真のエールではなく人工的エールである」というものです。このCAMRAは多くの市民の共感を得て市民運動として発展していきます。
こうした運動に対し、さすがの大企業も屈服、効率が悪いというだけのために切り捨てた古典的な樽熟成のエールを復活し、再び生産、販売することになりました。近代的な方法を用いるのは、品質の安定や消費者への衛生管理などのためには必要なことですが、消費者のあくまでも強い欲求にはかなわなかったのです。これをうけて、日の目を見なかった中小メーカーも精力的にリアルエールを作り続けます。さらにマイクロブルワリーの発展や世界的な地ビールブームにもつながって行くのです。
現在のCAMRAはイギリス国内に150以上の支部を持ち、総会員数は4万5000人を突破、またカナダでもイギリスのこの活動に刺激され、CAMRA−CANADAを組織しており、世界で最も成功した消費者運動のひとつと言われています。
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