
海沿いにそびえる「蟹御殿」

絶景を望む客室
福岡より長崎自動車道・武雄北方インター経由で約2時間30分。それでカニ食べてUターンというのもあまりに芸がないが、日帰りでアクティブに動くのも齢48歳にはちと面倒くさい。そんな時にお薦めなのが、こちらの「蟹御殿」。
温泉旅館が集積する漁港周辺の太良竹崎温泉とは一線を画す海沿いにそびえるように立っているこちらは、その立地をフルに活用したデザインなのだ。
まずは、白やこげ茶、明るい木目調などのシックな色だが、デザイン性の高いインテリアがバランスよく配されたロビー。「蟹御殿」というコテコテ感のあるホテル名からは予想だにしない展開が垣間見える。そのモダンな空間の向こう側にはもちろん、有明海が広がるロケーションを望む。本来の宿泊利用ならば、チェックインの手続き、はフロントカウンターではなく、この空間でゆっくりとウエルカムスィーツ&ティーを味わいながらできるそうだ。

旬のメニューが続々!

茹でガニを手にパシャリ!

締めの「蟹釜めし」
今回は、日帰り利用なのでフロントにその旨を伝え、食事処へと降りていく。またまた、オシャレな造りだ。しかも、すべて個室タイプになっているので、安心してカニを頬張ることができる。海側の眺望のきく席へ案内された。全面ガラス張りで掘りごたつ式、居心地抜群だ。しばらくすると、料理が運ばれてきた。「海茸の手作り粕漬け」「自家製ピーナッツ豆腐」「お造り」「茹で竹崎蟹」「焼き竹崎蟹」・・・。とにかく、続々登場だ!こちらのうれしい演出では、お品書きに表記されていない旬のメニューが一品でてくる。今日は、それがアナゴの薄引きという珍しい逸品だった。堂々の主役を張るカニが運ばれるとすぐに、一人の女性が登場、赤藤ひとみさん。「カニの殻、剥きましょうか」などというとっても嬉しいご提案をしてくださる方なのだ。申し訳ない気持ちを抑え、お願いすると、バキバキ、ガリガリ、1杯の姿茹でが1分後には、食べやすいポーションの山に早変わりした。聞くと、この道13年というベテランさんだった。さぁ、準備万端、整いました!好きなものを先に食べるか、後のお楽しみ派か、私は前者なので、真っ先に赤藤さんが剥いてくれた茹でガニにむしゃぶりついた。この時期はオスガニの旬。冬場のメスガニは卵を味わうが、オスはカニミソ。漁師さんいわく、夏から秋にかけて収穫される大きなオスガニが一番うまい、らしい。僕もオス派だ。あっという間に、焼きガニハーフ、茹でガニ1杯を平らげ、落ち着いたところで、アナゴの薄引きやお造り、などなど堪能し、最後に蒸しあがった蟹釜めしで締めくくった。
こちらで食事をすると、有明海の湯と屋上露天風呂に無料で入浴することができる。景色を愛で、おいしいものを喰らい、爽快な露天風呂まで浸かる、これが至福というものか。
たまに自問自答することがある。これは仕事なのか?こんな思いをして報酬を得ていいものなのか?自分は堕落していくのでは?など、至福の時間を過ごすほどに心の中で疑問が声高に叫ばれる。でも、最後には、「まっ、いいか!こんな仕事もあって」と投げやり気味に納得する。