
岬に立つ1軒の家は、昼夜それぞれ1組限定でもてなしてくれる、隠れ家的な料理店。漁師であり、卓越した腕を持つ料理人でもあるご主人が振る舞う味に、著名な料理人たちも足繁く通うという。魚料理の神髄を味わいに行こう。
玄海町の仮屋港から 日本の心が息づく温かなもてなし
港に立ち、海を望む。崖の向こうから現れる、一艘の小舟。舵を取るのは船長の吉田博さん。漁師であり、潜りの海士であり、また料理人の顔も持つ。船に乗り込み向かう先は、岬の先に建つ吉田さんの自宅。正式には自宅の隣に建つ食事処『魚山人』で、迎える客は昼夜それぞれ1組限定。吉田さんが捕った魚介をたらふく食べさせてくれる、まさに隠れ家の1軒である。
ここでは、希望をすれば一緒に漁に出ることもできる。沖合いに仕掛けていた網を揚げると、タイやスズキ、アジ、カマス。網からあげた魚はそのまま船の水槽へ入れて持ち帰る。水槽の中には、潜り暦20年になる博さんが採ったアワビやサザエ、ウニなども。これらが昇華した料理とは、いかに…。
- 1)仮屋港から電話をすると、吉田さんが小船で迎えに来てくれる。仮屋港から岬までは陸でもつながっているが、山道が険しいため常に船で移動するとか。
- 2)着岸すると目に入るのは、流木やブイで作られた温かみのある看板。岬に建つのは吉田さんの自宅のみ。
- 3)定置網までの操船は、吉田さんの父の弘徳さん。
- 4)吉田さん一家。通学や通勤でも自前の小船を利用する。
- 5)海の向こうに見えるのが、吉田さんの家。自宅の隣に離れの食事処「魚山人」をオープンさせたのは、平成20年のこと。
- 6)魚を捕る作業は事前予約で同行もできるが、冬季は不可の場合あり。詳細は問い合わせを。
- 7)取材時の定置網で多く揚がったスズキ。エソやベラなど市場で雑魚扱いされる魚も、漁師だからこその工夫を凝らして食べさせてくれる。

締めの寿司まで光る技に、著名料理人も絶賛
メニューはすべておまかせで、その日捕れた魚によって料理が決まる。片身を皮ごと炙って風味を変えたスズキの刺身、絶妙な加減に味付けされたメバルの煮付け、衣にヒジキを混ぜたエソのすり身揚げ…。さらに、アワビのソテー肝ソースかけやアワビとウニの茶碗蒸しなど、次から次に豪華料理が登場する。いずれも魚を知り尽くした漁師の視点と、料理人として卓越した腕から生まれる品ばかり。これらはあくまでも取材時の料理の一例だが、量質ともに申し分ない内容だ。
さらに驚くべきは、締めの寿司。なんと吉田さんは、若い頃に寿司の修行をした経験の持ち主。アワビの肝やカマスなど、工夫が凝らされたネタが光る。魚料理の神髄を、じっくり味わおう。
- 1)あらゆる魚をさまざまな調理方法で楽しませてくれる吉田さん。
- 2)1時間前まで水槽で泳いでいた魚介が調理される。取材時の刺身はスズキやアワビ、アジ、モンゴウイカなど。
- 3)吉田さんの右腕となって「魚山人」を支える、妻の敏子さん。煮魚は、敏子さんの得意料理。
- 4)締めに出される握り寿司。某有名料理番組の料理指導のシェフなど、東京からも著名な料理人たちも足繁く通う。
- 5)米は敏子さんの実家で作っており、野菜も自家菜園で栽培したものが中心。顔の見える食材が何よりの贅沢だ。
- 6)卓を飾るのは約3人分の料理。おまかせが1人3,000円〜で、取材時は1人4,000円のコース。季節により内容は異なる。
- 7)できれば4人からの予約が好ましい。人数は応相談だが25人程度まで受付可。

鮮料理 魚山人(ぎょさんじん)
- ■住所:
- 佐賀県東松浦郡玄海町仮屋高岩
- ■TEL:
- 0955(52)2733
- ■時間:
- 12時〜16時、17時〜 ※昼夜各1組・要予約・予約は4人〜
- ■休み:
- 不定(シケの日は休み・要問合せ)
- ■駐車場:
- 仮屋港に100台
- ■その他メニュー:
- 大将おまかせ1人3,000円〜(アワビ料理は4,000円以上から)
- ■アクセス:
- 【JR】唐津線唐津駅よりバスで約40分、仮屋前下車、徒歩約2分。 【車】 二丈浜玉有料道路浜玉出入口より約30分。
- 【※左記は仮屋港までのアクセス・仮屋港からは送迎あり・要予約
※この情報は九州・山口エリアで発刊している「外戸本」に掲載した情報で、データはH23年11月15日時点のものです。
1962年生まれ、血液型O型。
現在、(有)ハナダ・カンパニーの代表取締役として、地域の活性化事業やテレビ番組のコメンテーター及びリサーチャー、旅館や地域のPR事業に奮闘中。
「湯けむり倶楽部」編集長、TNC(テレビ西日本)「ももち浜ストア」コメンテーター、アサヒビール九州エリア“地域活性化推進PJ”社外プロデューサー