豊かな土地と清浄な空気に恵まれた埼玉県で、ていねいに育てられた『武州和牛』は、ほどよい脂としっとりきめ細かな肉質が特長。さっと焼いただけのシンプルな食べ方で味わってみると、なんともいえない肉の甘味が広がります。
黒毛和牛の本物の味わいが、ここ埼玉で『武州和牛』として生み出されているということをご存知でしたか?埼玉県は、古くは武蔵国、またの名を武州と呼ばれ、その名にちなんだ『武州和牛』は、知られざる逸品なのです。
「飼料を工夫して、愛情込めて育てて病気を出さないようにすることが大切です」と話すのは、6年前に『武州和牛』のブランドを立ち上げ、本庄市で自ら牛の肥育を行っている塚田正行さん。
上越新幹線の本庄早稲田駅から車で走ること、およそ15分。群馬県に近い埼玉県北部にあたる広々とした土地に塚田畜産の看板を掲げ、現在2カ所の牛舎で800頭の牛を育てています。
自宅脇の牛舎にいるのは生後15カ月までの牛200頭。塚田さんが押し車に乗せた飼料を運んでいくと、待ちわびたように次々と頭を出してくる牛たち。「はい、はい、今あげるよ」と、声をかけながら、牛舎の端から端まで餌を与えていくのが日課です。
「牛は一度呑み込んだものを、胃からまた口に戻して噛むという反すう動物なので、まずはたくさん食べられる丈夫な胃を作ること」と、脂肪を蓄える前の体づくりの大切さを塚田さんは説きます。牛の胃は4つあり、食道が変化した3つの胃でゆっくりと草の繊維を分解するのです。
さらに車で15分ほど走った隣町の牛舎は1〜3号棟まであり、広い敷地には600頭もの牛が。こちらは16カ月以上に成育した牛で、すでにずっしりと脂肪を蓄えています。肥育から牛舎の管理まで、塚田さん一家とスタッフの皆さんの協力が、欠かせません。